土地を売る―４

来年の確定申告では、この土地の収入を申告し、納税しなければならない。　では税金は、全部でいくら位になるのだろう？

土地の譲渡は分離課税であり、他の収入（総合課税）とは独立して計算する。　これが申告書の第三表である。　と言う事は、申告書Bを使う事になる。

この土地を入手したのは先代であり、それはン十年以上前に遡る。　つまり、長期保有だ。　その結果、税率は20％（所得税15％＋市民税5％），税額は譲渡益の20％となる。

では、譲渡益とは？

　　　譲渡益＝収入−（取得費＋経費）

だ。　ここで、例を挙げよう。

　　　収入＝土地の売却価格　（契約書より、転記する）                                          1000万円

　　　取得費＝土地の購入価格　（不明の場合は収入の5％）　　　　　              　50万円

　　　経費＝地質調査費用、司法書士手数料・登記費用、不動産屋の手数料等    　50万円

　　　譲渡益＝1000万円−（50万円＋50万円）＝900万円

　　　税額＝900万円×20％＝180万円

180万円は、痛い！　なんとかならないのか！？！　これが、なるのである。

　　　――――――――――――――――――――――

相続により得た土地を、相続税の申告期限から3年以内に売却すると、相続税の一部を「取得費」に加算できる。　その額は、相続税を次の式で按分して計算する。

　  　　　　　　　相続した土地の合計額

  相続税の額　×　――――――――――

　　  　　　　　　相続した資産の合計額

蛇足の誹りを承知で例示すると、次に様になる。

　　　相続した資産の合計額                         4000万円

　　　相続した土地の合計額                         2000万円

　　　相続税額                                                 1000万円

　　　取得費の加算額                                      500万円

 　2000万円

500万円＝1000万円×―――――

　　　　　　　　 4000万円

その結果、税額が100万円も安くなる！

　　　譲渡益＝1000万円−（50万円＋500万円＋50万円）＝400万円

　　　税額＝400万円×20％＝80万円

但しこれは、単純化したモデルなので、個々には専門家に訊いて欲しい。