リハビリ28―ボールを使って・・
・・と思ったが、違った。
台に腰掛け、靴を脱いだ私の右足の下に、Y士はそのボールを置いた。 つまり、私が右足でボールを踏んでいるのである。
Y士は私に背筋を伸ばし、ボールの弾力を利用して、右足を上下する様に指示した。 ボールを持ってきたのは、このためだった。
これが、簡単な様で、大変なのだ。 背筋を伸ばすと、腰が折れる角度は小さくなる。 その小さな角度を、右足を上げる事により、更に小さくする・・」しかもパーキンソン症候群による脱力感もあり、思うように行かない。 左右の足を替えても同じだった。
すると、Y士は
「ここの関節の可動域は、もともと狭いんです。 私だって、これくらいしか上がらないんです」
と、フォローしてくれた。 確かに、難しい・・
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最後は平行棒の間で、スキーのジャンプの格好をする訓練だ。
私達が平行棒のところに行くと、先客が高さを85cmまであげていた所であった。 そこで早速スキーのジャンプの格好をしてみた。 横から見ているY士は、
「ハイ、上体を起こし・・ もっと胸を張って!」
ち指示したので、その通りにやってみた。
「家でも、この練習はやってますか?」
「これは、余り(やっていません)・・」
「その割には、上手だなぁ・・」
と褒められてしまった。