パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ108―「ふくらはぎの筋肉が・・」


前回同様、平行棒の間で、青いスポンジを使ったバランスの訓練を行なった。 先ずは踵の上下運動だ。 ただ踵を下ろす時、ユックリと下ろす様に言われた。 そしてO士は、平行棒の一本にもたれ込む格好をして、こんな事を教えてくれた。

 

   「前傾姿勢から立て直すには、ふくらはぎの筋肉が必要なんです。 ○○さんの場合は、ここが弱いんです。 だから踵がストンと落ちちゃうんです。」

 

ナホルド・・ そう言えば、前任のY士の宿題に、柱に掴まって踵上げを20回行う・・と言うのがあった。 また、スキーのジャンプの格好は、ハムストリングを鍛える・・とも聞いた。 漸く、それらが繋がった!

 

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次は、青いスポンジの代わりに、フリスビーの様に扁平な風船を用いた訓練に移った。 その風船は直径40cm、中央部の厚みが10cm弱のドラ焼き状で、伸縮性の乏しい材質なので、乗っても潰れない。 だから乗ると不安定なのだ。

 

O士はこの巨大ドラ焼きを2個床に置き、スポンジの時と同じ様な動きをして見よ・・と言う。

 

   「但し、不安定なので、しっかり(平行棒に)掴まっていて下さいね」

 

とも言ったが、それ程でも無かった。 私が平行棒の補助なしにバランスを取っていると、O士は少し驚いた様子を見せた。

 

   「それでは、そのまま室内を一周してみましょう」

 

と促し、杖を渡してくれたので、歩いてみた。 すると、明らかに感じが違うのである! 足の運びがスムーズなのだ。

 

   「良いみたいですねぇ、さっき歩いた時より爪先が上がって。 さっきは引きずる様(な歩き方)でしたから。」

 

   「ええ、歩き易くなりました!」

 

   「いいんですよ、気を遣って戴かなくても?」

 

まぁ、冗談はともかく、リハビリの意義と効果を実感した瞬間であった。 その日以降、踵上げの宿題を、復活した。