パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

お盆

2011813日は、旧盆の「迎え盆」の日である。 妻の実父が昨年の秋に逝去しているので、今年が新盆となる。 この辺の風習では、新盆には白い提灯を軒下に掲げ、火を灯して、新しいみ霊の目印とする。

 

夕方、妻の実家に故人の配偶者、子、その配偶者、そして孫達が、大集合した。 総勢十数人もいたので、エアコンも効かない程である。

 

これだけの人数となると、宴も圧巻である。 枝豆、ビール、チュウハイ、惣菜、漬物、寿司が、2つのテーブルに所狭しと並び、皆、ワイワイ・ガヤガヤと楽しそうだ。 もう、故人を偲ぶ事すら、忘れている。

 

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私も折角なので、ビールを頂戴した。 普段は発泡酒を飲んでいるので、殊の外美味い! 寿司のネタも、良い。 義妹も、美人揃いである。 もう、パーキンソン症候群なんて、忘れてしまった! 「楽しい事は、病気を駆逐する」と言うが、本当だ!!!

 

宴たけなわの折、私宛に来客があった。 整地の見積もりを植木屋(造園業者)に頼んでおいたら、13日に持参する・・と電話があったのだ。 お盆の最中に・・と、怪訝に思う向きもあるだろうが、植木屋の盆前は個人やお寺の庭木の手入れで忙しいらしいのである。

 

私は来客の知らせを受け、病気が皆に気付かれない様に、注意深く立ち上がった。 多少のよろめきなら、酒のせいにもできるだろうが、立ち上がれなかったり、転んだりする程飲んではいない。

 

なんとか、立ち上がれた。 そして突進しない様に、ゆっくりと歩いて廊下から靴を履いた。 うん、これなら周囲にパーキンソン症候群と気付かれない。

 

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植木屋が持参した見積もり金額を一瞥すると、先の別会社の半額である。 早速注文したかったが、お盆の最中でもあり、一旦預かって再度返事をする旨答えた。 植木屋も、

 

   「これで、良く検討して下さい。」 (植木屋)

 

と言った。 合理的な見積もり金額に内心はホクホクだったが、私はそんな表情は植木屋には見せなかった積もりである。