リハビリ209―横回転
その後、O士は、私にこんな動作を促した。
「一度仰向けになって、左右に寝転がって下さい。」
そして私が、台の上で3~4回転がる様子を見て、
「これは良い悪い・・じゃないんです、その人それぞれのやり方があるんで。」
と、言葉を選びながら、説明した。 彼によると、
「○○さんの場合は、先に上半身がまわってから、下半身が付いてくるんです。 これを、先に下半身から回せます?」
という事らしい。 そこで私は、こんな風にしてみた。 勿論、「自己流」である。
- 先ず、台の中央に仰向けとなる。
- 次に例えば、左に回転する(左肩が下になる)ために、右膝のみ、少し立てる。
- 続いて右足で台を押すと、反動で下半身が左を向く。
- 更に右足で台を押すと、下半身が回転する。
- 最後に上半身も付いて廻り、回転が完成する。
すると、O士がアドバイスしてくれた。
「うん、確かに下半身から廻っていますね! じゃぁ、 今度は、こんな風にやってみて下さい」
と言いながら、新技を披露した。 それは、少し回転したら、右足を交差させて左に持って行く事である。 すると右足の重みで、自然に体が左回転するのである! これなら、足さえ上がれば、寝返り可能である。
自己流方式だと、結構力が必要である。 例えば、右足でけるとき、床に対して斜めに力を入れなければならない。 すると力が入りにくいばかりか、台が布団やシーツだったら、逃げてしまう事になる。
しかも新技なら、脚の交差を深くすれば寝返りが楽なばかりか、うつ伏せにもなりやすい!
きっと将来、介護が必要になった時に、活かせる新技かも知れない。 でも、O士は、こういったのである。
「どう言風に回転するかは、その人のやり方でイイんで、これは訓練ではないんです。 でも、苦手な方法でやって見るのも練習の内なんです。」
気を遣ってくれている。