リハビリ107―専門は?
先ずはリハビリ。
定刻より少し遅れたが、担当のO士が現われて始まった。 台の上でマッサージやストレッチを受けながら、私は前々からの疑問をぶつけた。
「あのぉ・・ (理学療法士の)皆さん、得意分野ってあるんですか?」
「いいえ、誰でも・・ 私は全部診られる様にしています。」
「じゃぁ、オールラウンドですね!」
「ハッハッハ、全部中途半端かも!」
と私の質問をはぐらかした。 しかし、私が納得していないのを察したのか、
「でも、例えば骨折と一口に言っても、(自力で)外来に来る人と、前日に手術した人では、(リハビリの)方法が異なりますし、ね。」
と添えた。 でもこれは、質問の意図とは異なる。 つまり、患者には専門性を明らかにはしない様だ。 それでも、
「私は以前、○○さんの様なパーキン(ソン病)の人のリハビリをやった(=担当した)事もあるんです」
とは、添えた。
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一通り、マッサージを終えると、杖を持って室内を歩いてみる様、指示があった。 杖を使えるなら、歩行は安定する。 それは、リズムを取れるからだ。 事実、O士から
「杖があった方が、(歩き方が)上手ですねぇ、コーナーも上手く曲がれるし・・」
と評価されたので、私は
「一旦歩き始めれば、杖は要らないんです」
と言いながら、杖を空中に持ち上げて歩いて見せた。