パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

膀胱炎(続)

 

妻は電話の指示に従って、病院の正面玄関に車を着けて、外来用の車椅子を借用して来た。 そして、入り口で警備のオジサンから、夜間入館証を受けた。 院内ではそれを、常に見える場所に下げる様、言われた。

 

さて、左に進む様案内を受けて進むと、一段と明るいカウンターがあり、男性職員が2名いた。 妻が来院の趣旨を述べると、体温と血圧を測って奥の待合室で待て・・と言う。 血圧は正常範囲内であったが、体温が38℃と微熱だ。 そう言われれば、顔が火照っている感じもした。

 

救急科の待合室には、既に5~6組の患者がいた。 暫く待つと名前が呼ばれたので、車椅子ごと診察室入ると、頭髪が殆んど白髪の初老の医師が待っていた。 そして妻が症状を話すと、いつ頃からか・・と質問を受けた。

 

すると、医師は、尿検査をしましょう・・と言い、最初の診察を終えた。 待合室にいると、看護師が名前を書いた紙コップ(蓋付き)を渡したので、身障者用トイレで紙コップに排尿した。 量は50ml位しか無いのに、濁ってコップの底の濃紺の二重丸が、霞んでいた。 私は直ぐに蓋をして、待合室に戻り、妻に渡した。 妻が看護師の指示通り、壁のインターフォンを押すと、扉の内側から男性が出て来て、名前を確認の上、検体(尿)を受け取った。 その扉には、「緊急検査室」と書いてあった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて、30分程待ったろうか、再び診察室に呼ばれた。 医師は検査結果をモニターで見て、

 

   「白血球も細菌も出てますよ、それに赤血球も・・」

 

と言い、薬を処方するので、直ぐ飲む様指示した。 要するに、膀胱内に細菌が入った事による膀胱炎である。 更に、医師は続けた。

 

   「今日は、夜間診療なので、薬は1日分だけしか出せないんですよ。 明日、泌尿器科を受診して下さい」

 

と。 すると看護師がメモを渡してくれた。 そこには、

 

   「患者名 〇〇〇〇様 〇〇日、救急科を受診しました。 本日、泌尿器科を受診・・」

 

と言う旨が書いてあった。 つまり、明日受付にこのメモと健康保険証を出せば、分かる様になっている・・と言うのだ。

 

そこで我々は医師に礼を言い、診察室を出て受付に戻り会計をしようとしたら、係員が

 

   「黄色い手帳(=『指定難病医療費 自己負担上限額 月額管理票』)はお持ちでしょうか?」

 

と訊いて来た。 不思議に思いながらも、提出すると・・ 今夜の分を記入してくれた! そう言えば、医師が車椅子の私に向かって

 

   「どこか、神経で動かないんですか?」

 

と訊いたのだった。 勿論、

 

   「脚が・・ 歩行障害で、すくんじゃうんです」

 

と(妻が)答えたが、私は

 

   「(なぜ、そんな事を訊くんだろう? 今回の症状とは無関係なのに・・)」

 

と思ったがそれは、月額管理票に書くためだったのである。

 

何と、優しい医師なんだろう・・と、感動してしまった。 と言うのは、月額管理票に書き込まれると、通常の3割負担が2割で済むからである。 まぁ、私の場合は1割負担なので、直接は、関係ないが・・ それに、毎月の支払い上限額が決まっているので、個人負担が軽くなる・・と言う効果もある。

 

こうして、近くの薬局で処方薬を受け取り、帰宅して長い夜が終わった。 尚、途中、車内で服薬したのは、申すまでも無い。