リハビリ360―研修生
2月下旬の今日は、リハビリの予約日だ。 そこで妻の運転で総合病院に出掛け、M医師の予診を受けて待っていると、I士がやって来てリハビリが開始となった。
すると、白い作業着の男性が付いてて来た。 台に到着すると、I士が紹介した。
「学生さんですが、一緒にイイですか?」
と。 要するに研修生だ。 そして、台に上がって、I士によるストレッチやマッサージが始まった。 途中、I士が研修生に質問した。
「(疾患は)パーキンソン症候群です。 では、(パーキンソン病の)四大兆候とは?」
すると、研修生は
「振戦と寡動・無動、それから姿勢反射障害と・・」
と答えた。 オイオイ、固縮が抜けているぜ。 更にうつ伏せの私の背中を撫でながら、I士は、
「チョット、学生さんに触らせても良いですか?」
と訊くので、OKすると、I士は研修生の手を持って私の脊柱に当て、
「ほら、脊柱の柔軟性が(足り)ないでしょ?」
と説明した。
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さて、今日の新技である。 前回と同じ台で、カマーバンド見たいな物に両腕を乗せ、そのまま前に倒れ込む練習である。
勿論、顔を上げ、背を反らす様に指示が来る。 そして、彼は私に、そのままの格好で腰掛けている台から立ち上がれるか、訊いた。 勿論、試した・・ら、出来た。
次に、腕輪を2個用意し、フックに掛けた。
そして前回同様、体を前に倒した。 その時、胸を張る(=背中の肩甲骨を寄せる)様、指示が来た。
さて、ここからである。 彼は、
「そのまま、ぶら下がれますか? つまり、懸垂ですね!」
と訊いた。 私は腕に力を目一杯入れて腕を縮めると、足が床から浮いた! 一旦床に降り、更にもう一度腕に力を入れると、腕はワナワナと震えながらも確かに両足が浮いている。 すると、彼は、
「両足を上げられますか?」
と訊いた。 私は、膝を90度、曲げた。 丁度、丸まった動物が樹の枝にぶら下がったみたいだったのだろう、その様子を見ていたW嬢が、
「カワイイ(格好)ね!」
と言った。 すると、I士がバツ悪そうにフォローした。
さて、その後I士は、
「凄いですねぇ・・ 私は(懸垂が)出来ないんですよ・・」
と、評価しながら、(両足を床に付けたまま)ぶら下がって見せた。 その後、リハビリ室内を歩く様子を観察し、今日のリハビリを終えた。 そして、リハビリ室を出た所で研修生が私の方を向いて、
「有難うございました」
と言いながら、深々と頭を下げた。