リハビリ199―水彩画は、芸術的???
作業療法士のM士はテーブルに着席した私に、
「少し、休憩しましょう」
と言い残して、準備室に入って行った。 そして、水彩用の道具一式を携えて、私の前に並べた。 そして、2枚の素描を示し、私にどちらか選ぶ様に言った。 今回のはかなり複雑なので、2枚を描く時間が無いのだ。
そこで私は、これまで塗った事のない、動物画を選んだ。 そして、チューブから絵の具を白磁の皿に出して、水で薄めながら塗り始めた。 コツは、以下の通りだ。
① 背景から塗り始める。 この時、背景は面積が大きいので、淡く塗る。
② 背景は単調にならない様に、柱があれば立体的になる様、トップライトと影のコントラストを付ける。
③ 柱に掛かっているもの(トウモロコシや唐辛子)やカーテンは、立体的に見える様、影や濃淡を描く。
④ 動物、特に犬は優しい感じをだすために、淡い色でホンワリさせる。
⑤ 淡い色ばかりでは、絵が平面的になるので、強い色も入れて構図を引き締める。
こんな点に気を付けて完成したのが、次のURLだ。
http://f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20140705/20140705164252.jpg
自分でも良く描けたと思う。 ただ、時間が足りなくて、動物には手つかずだ。 しかし妻が様子を見に来たので、切り上げた。 そのため、動物たち、特に猫が平面的で毛のフワフワ感が出ていない。
そして、M士が妻に
「ご主人って、芸術的センスがありますねぇ」
と評価する言葉が聞こえた。 誤解は無いと思うが、私はそんなセンス等は持ち合わせていない。 ただ、水彩塗り絵のコツを多少知っているだけである。
例えば、背景のトウモロコシや唐辛子は写実的に、動物たちは非写実的に描く必要がある。 その例として、猫の目を写実的に描くと不気味なので、少女マンガみたいに黒で塗りつぶして、白い星を入れる。
つまり、持ち合わせているとしたら、それは「芸術」云々でなく、「技術」である。