リハビリ134―起き上がりこぼし
今回も、同じ研修生が見学にきていた。 担当のO士は、
「また、学生さんがご一緒させて頂いて、宜しいでしょうか?」
と訊いた。 この「学生さん」と言う表現が、なぜか印象的だった。 そして、O士による施術中、傍らで熱心にメモを取っていた。
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O士は施術中、仰向けの私に、こんな風な指示をした。
「それでは次に、両手で両膝を抱えて下さい。」
言われた通りにすると、私は仰向けにひっくり返ったのダンゴムシの様に丸くなった。
「じゃあ、このまま起きてみて下さい。」
と言いつつ、O士は私の背中を押した。 O士のサポートを得て、そのままの格好で起き上がり、足を台に付けた。 丁度、幼稚園児の「お山お座り」の格好だ。
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そのまま足で台を蹴ると、再びゴロンと戻って背中が台に着いた。 そして、今度はO士のサポートはなく、自力で起き上がった。 すると、O士が不思議なものでも見たような、キョトンとした表情を見せた。
そこで私は、もう2〜3回、起き上がって見せた。 すると、O士はこんなコメントをした。
「これって、腹筋が要るんですよねぇ・・」
パーキンソン症候群により、筋肉が上手く連携しないので、私には出来ない(=自力のみでは、起き上がれない)と思ったのだろう。
毎日就寝前に筋トレをやっている成果なのだろう。 たとえ僅かな時間でも、毎日継続する事は大切である。