グアム旅行9―イルカウォッチング
次のイベントは、イルカウォッチングだ。 アルパンビーチからバスを乗り換え、約10分程海岸沿いの道路を走り、大きな桟橋に着いた。
バスから降り、案内に従って艀(はしけ)に進んで小型の船に乗り換えると、観光客が40人程とスタッフが4〜5人程のクルーズだ。 スタッフは皆チョモロ人で、日焼けした精悍な海の男である。 船が高いエンジン音と共に出発すると、スタッフの一人が英語で乗船中の注意を述べ始めた。
船は湾内を進み、かれこれ30分位経った頃だろうか、エンジンを停止した。 凪いで波もなく、静寂の世界となった。 どうやら、ここが「イルカスポット」らしい。 説明によれば、
「イルカが見られるとは、限らない。 でも、昨日も見えた、その前(の日)も見えた」
そうだ。 今日も天候が良いので、見られるだろう・・と言う。
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そこで乗客達は船の舳先(へさき)に集まった。 そうは言っても、中々イルカが見えるものでもない。 半ば諦めかけて、ボーッと海面を見ていたら・・
海中から灰色の物体が、ニューっと現れた。 それはズングリしていて、水に濡れて光っていた。 それが円弧を描いて再び水中に潜った時、
(あっ! イルカだ!!!)
と気付いた。 と同時に、2頭のイルカが先頭のイルカの軌跡を追った。
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時間にして、ほんの2〜3秒の事だろう。 写真でしか見た事はない(のでステレオタイプかも知れない)が、いかにもグアムらしい光景だ。 でも、あの瞬間は、今でも絵となって脳裏に焼きついている。