パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ71―バルタン星人とスペシウム光線


今回は歩き方の訓練が中心だ。 Y士は私の歩き方を見て、腕が振れていない旨の指摘をした。

 

そこで意識をして腕を振り、体のバランスを取ってみた。 すると、腕に力が入ってしまったのだろう、Y士に

 

   「バルタン星人みたいですね?」

 

と言われてしまった。 きっと腕が硬直し、ぎこちない歩き方になっているのだろう。 鋭い指摘への照れ隠しとして、私が

 

   「シュワーッチ、スペシウム光線―――っ」

 

と言いながら、ウルトラマンの真似をして見せたら、

 

   「懐かしいですねぇ」

 

と言われた。 きっと子供の頃、テレビの特撮を観ていたのだろう。 

 

   ―――――――――――――――――――――――

 

本題に戻り、

 

   「そうじゃないんです、出した脚の反対側の肩が前に出る事によって、胴体が回転し、その結果、腕が振れるんです」

 

と教えてくれた。 腕は「振る」のではなく、結果として「振れる」のだ。 つまり「腕が振れていない」と言う指摘は、「胴体が回転していない」と言う指摘だったのである。 この点を意識して歩いたら、自分でも自然な感じがした。

 

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続いて股関節のストレッチに移った。 今回、初めての動作である。 Y士は私に、台に浅く腰掛け膝を開く様に指示した。

 

そして、私の正面でスツールに座り、私の両手をY士の肩に置く様、指示した。 この状態で、上半身を前に倒すらしい。 そして、元の様に上体をユックリと戻す。

 

それを繰り返す内に、Y士は段々と自分の座高を低くして行った。 最終的には、上半身が水平まで倒れた・・と思える程だった。 これは、結構辛い。

 

一通り終わると、Y士も自らの上半身を戻し、

 

   「顔が真っ赤ですよ! そうじゃないんです、(上体を)倒す時に息を止めちゃ、ダメなんです。 吐くんです」

 

と教えてくれた。 そう、筋トレの時に習った呼吸法である。 息を止めると、血圧が上昇するからだ。 そのために、顔が赤い。

 

こうして、定刻の3:0028回目のリハビリを終えた。