整形外科の受診―7(相談)
2011年10月となった。 腰痛と膝痛で整形外科のリハビリには2日に1度ずつ通っていたが、今日は2週間ぶりの診察日である。
整形外科の受付の「診察」側の箱に診察券を入れると、210番の札を貰った。 平日の夕方のせいか、余り混んではいない。 それでも、20分程は待ったであろうか?
「210番でお待ちの○○さん、診察室1番にお入り下さい」 (放送)
と言うアナウンスを受けて診察室に入ると、M医師が待っていた。
病状を尋ねられたので、膝は全快、腰はまだ違和感が残っていて、強く屈むと痛みを感じる旨、説明した。 そしてその後、
「先生、質問してよいでしょうか?」 (私)
と前置きして、下記のメモを渡した。
――――――――――――メモの始め―――――――――――――
質問:パーキンソン症候群に対するリハビリテーションの有効性について
現在、○○総合病院の脳神経内科にて、治療を受けています。 疾病は「パーキンソン症候群」、障害領域は「垂体外路」と診断されています。 脳神経細胞の脱落に伴う下記諸症状に、どの様なリハビリテーションが有効でしょうか? 貴クリニックにて受ける事ができるでしょうか?
1.病歴・受診歴
・ 2010年早春から歩行に違和感を覚え、○○市内の脳神経外科を受診。
・ CT・MRI・MRAを撮像するも、いずれも異常なし。 (脳梗塞痕も皆無)
・ 歩行障害が現れ始め、2010年8月末に○○総合病院の脳神経内科を受診。
(当時、同病院の消化器外来を受診中だったため。) 現在に至る。
2.検査結果
・ MIBG検査(123Iを用いた心筋シンチグラム)の結果、早期像のH/M比=2.9、後期像のH/M比=3.3、Washout rate=19%。
・ MRI撮像の結果、小脳に僅かな萎縮があるものの「気にする程でもない。」
・ MRI像で見る限り、中脳の黒質緻密部や線条体に萎縮(間隙)もなく、正常。
・ 血液の一般検査で夏場の脱水に伴い尿素窒素値に若干高値があるものの、異常なし。
3.診断
・ MIBG検査の結果、パーキンソン病は否定。
・ MRI撮像の結果、多系統萎縮症も否定。
・ 現段階での診断は、「垂体外路の障害に伴うパーキンソン症候群」
・ 小脳の機能に異常はない。(指鼻運動、指タップ、眼振等)
4.現在の諸症状
・ 強い症状
歩行障害(すくみ足、ずり足、突進現象)、姿勢保持障害(ふらつき、よろめき)、
動作緩慢、仮面様顔貌、構音障害、書字困難
・ 弱い症状
関節の歯車様固縮、脂汗(交感神経の損傷)、脱力感
・ 現れていない症状
振戦、自立神経系症状(起立性低血圧、排泄障害、陰萎)、
精神系症状(不安、うつ、幻視・幻聴、認知障害、衝動制御障害)
5.治療(現在の処方)
・ ビ・シフロール(D2 agonist) 0.5mg錠×3回/日
・ マドパー配合錠(L-DOPA+脱炭酸酵素阻害剤) 半錠×3回/日を追加
・ 「どんどん歩きなさい」 ・・ 歩行訓練の勧め
・ 「旅行も良い」 ・・ 気分転換や積極性
・ (効果は)「薬半分、リハビリ半分」 ・・ リハビリテーションの有用性
以上
――――――――――――メモの終わり――――――――――――
これを見て、M医師は
「そうですよねぇ、こっち(パーキンソン病のリハビリの方が重要)ですよねぇ・・」 (M医師)
と、つぶやいた。