妻の手術−8 (入院)
甲状腺全摘出手術に伴うその他のリスクは、一般の手術と同じである。 緊急時に輸血を行う可能性があるので、血液製剤を介する感染症(HIV、C型肝炎など)のリスクは、ゼロではない。 勿論W医師から丁寧な説明があり、同意書に本人がサインした。
その他、多くの書類に本人や家族(私)がサインし、入退院の窓口で手続きを行い、準備完了となった。 ただ、希望した6人部屋は満室なので、差額ベッド代の必要な4人部屋となった。
――――――――――――――――――――――――
入院当日の朝、即ち手術の前日、私は車で妻を病院に送り、そのまま出勤した。 手術に先立って、色々と行事(説明、準備、最終検査)があるのだろう。 そして夕方5時、本人と家族に対する最終説明の場が設けられた。 執刀医となるW医師はどんな疑問・質問でも受けてくれ、丁寧に説明してくれた。
そして・・ 眠れぬ夜を過ごし、いよいよ手術当日を迎えた。
―――――――――――――――――――――――――
2011年6月下旬の某日、いよいよ妻の甲状腺全摘出手術の当日である。 今回の手術のきっかけとなった健康診断から、7ヶ月が過ぎようとしていた。 便潜血反応から甲状腺癌まで辿り着いたが、その経緯は将に「風桶」と言うか、偶然の連続であった。
前日のW医師による説明時に、大まかなスケジュールが示されていた。
午前9時:手術室へ出発
午前10時:執刀開始
午後1時〜2時:手術終了
吸入麻酔でなく点滴だけの麻酔なので覚醒も早く、患者は術後、ICUに入る事なく直接病室に戻ると言う。
―――――――――――――――――――――――――
さて、家族は1時間前によばれている。 つまり午前8時に、妻の病室に現地集合だ。 私の他、親姉妹が集まった。
そしてベッドサイドで談笑していると、看護士が
「8時55分に(手術室に)出発します」 (看護士)
と、告げに来た。 いよいよ・・である。