妻の手術−5 (甲状腺クリーゼ)
甲状腺クリーゼとは、甲状腺ホルモンの血中濃度が急変する事によるショックの事である。 最悪、死に至る可能性もあるらしい。 妻の場合は、機能亢進(バセドウ病?)により高かった甲状腺ホルモン値が、甲状腺の全摘出により急激にゼロとなる事により発症する可能性がある。
そのためには、手術に先立って、甲状腺ホルモンのレベル(血中濃度)を「正常値」にしておかなければならないのである。 術後に甲状腺ホルモン剤を服用する事も、勿論である。 否、服用は一生涯である。
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今度は、術前の甲状腺ホルモン値コントロールの目的で、同じ総合病院の内科を受診する事となった。 担当は内分泌専門のN医師(女性)である。 N医師も、
「よくこんな小さな癌が、見つかりましたねぇ・・」 (N医師)
と感心した。 触診でも分からないと言う。 寧ろ、これ程の微小癌が自覚症状もないのになぜ発見されたのか、不思議そうだった。
N医師の処方により、抗甲状腺薬である「メルカゾール」の服用を開始した。 そして服用後2週間でN医師の再診を受け、甲状腺ホルモンとTSHの検査を実施した。 すると・・
甲状腺ホルモン値が正常範囲に入ったと同時に、これまで検出されなかったTSHが(基準値よりは低いものの)現れたのである!!!
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N医師の処方が奏功し、さあて、これで準備完了! 後は外科のW医師を受診して、手術日を決めるのみ!!!
・・と思ったのであった。
所が、外科にてW医師の診察を再度受けてみると・・