パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

住民税の還付と年金振込通知書

 

さて、年金生活の我が家は、夫婦とも住民税が非課税、いわゆる非課税世帯である。 と言うのは、課税者である長男が世帯分離により、「独立」して世帯主となったからである。 しかし住民税は、年金から「天引き」されている。 当然納める必要はないので、返金されなければならない。 

 

すると、7月中旬に、市から「過誤納金還付通史書」が(6月30日付で)届いていた。 まぁ、中身は「あなたの税・科に還付が生じたので、お返しいたします」と言うものだが、どうもその表題が気に入らない。

 

と言うのは、「過誤納金還付通史書」の意味は、間違って納め過ぎたお金を返します・・と言う意味だろう。 しかし、住民税の確定まで待てずに天引きした事に原因があるのであれば、ここは「過誤徴収金返還通知書」とすべきではないだろうか?

 

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さて、8月に入って、日本年金機構からハガキが届いた。 表題は「年金振込通知書」である。 曰く。「個人住民税額が変更されたことにより、平成29年8月にお支払する年金は、次のとおり ・・」とあり、欄には平成29年8月の振込み額のみ記載があり、それ以降の欄には斜線が引いてあった。

 

うまり、8月の天引きには間に合わないのだろう。 介護保険料は従前のままであるが、個人住民税の欄が「****円(=0円)」となっていた。

 

そう言えば、国民保険税(国保の保険料)の支払いは第二期までは、旧伝票で払わないと間に合わないらしい。 勿論それは、私が国保を脱退したためであるが、第二期分の支払い期限が今月末なので、旧(現?)振込み用紙を使って欲しい・・と市の職員に言われた。

 

まぁ、市独自の事業に基づく徴収でこれだから、市区町村の依頼に基づく各種保険料の(精算的)徴収が、8月末に間に合わず10月になるのは、理解できる。

 

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では、世帯分離の効果は? 現段階では、何処にも表れていない。 しかし同ハガキには、「平成29年10月以降の各支払期の支払額、年金から控除される額および控除後振込額は、平成29年10月以降に改めてお知らせします」とある。 まぁ、それを待とう。

 

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では、世帯分離の効果にまつわる話題を一つ。

 

例えば、所得の少ない人が特別養護老人ホームに入ったとしよう。 この時、職員から家族に、本人の住民票をその施設に移す様、勧められる事がある。 家族としては今まで何十年と一つの家族として生活して来た本人が、何か遠くに行ってしまう様な寂しさを感じるものである。

 

しかし、その理由として住民票を移すと世帯主になるので、色々と経済的に楽になる・・と説明され、具体的な金額を提示されると、

 

   「(これから毎月の支払いをどうやって工面して行こう・・)」

 

と思い悩んでいる家族には、将に「渡りに船」と思うのである。

 

ところが、年金の振込通知書や銀行からのお知らせ等は、全て、施設に行ってしまい、家族には、段々と本人の経済状況が分からなくなってしまう。 まぁ、施設が本人のお金を誤魔化すとは思えないが、介護に携わる個々人はもう信じるしかない。

 

更には、介護士が入居者の預金を勝手に引き出した・・なんてニュースを見聞すると、家族は益々不安になるのである。 まさか、あんなに良く世話をしてくれる人達を疑う訳には行かない・・

 

では、その解決法は? 

 

そう、家族と同じ住所のまま「世帯分離」するのである。

 

 

リハビリ386―肩の痛みを申告する

 

今日は8月最初のリハビリの予約日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に行った。 いつものM医師の予診を受けて待合椅子に座っていると、I士が声を掛けて来た。 私は立ち上がろうとして、失敗してしまった。 すると、I士がカバーしてくれた。

 

リハビリ室に入る時、I士は私の体調を訊いた。 前回、右肩が痛かったので、

 

   「右肩が痛いんです。 突進して止まる時に『壁ドン』をしてしまって・・」

 

と告げた。 

 

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こうして空いている台を探して、本日のリハビリが始まった。 I士は。私の下半身のマッサージやストレッチを次々とこなしていった。 途中、彼は、

 

   「どうですか、(右肩は)痛いですか?」

 

と訊いた。  私は、

 

   「えぇ、大丈夫です。 痛いのは、特定の角度になった時なんです」

 

と答えた。 すると彼は、更に

 

   「右肩は、腫れていますか?」

 

と訊くので、私は否定した。

 

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さて、私の調子が余り良くないと思ったらしく、筋トレは殆んど無かった。 途中、「リハビリテーション総合計画書」を書く段になった。 彼は

 

「以前も言いましたけど。」

 

と断りを入れて、

  

  • 円背になりやすい
  • ハムストリグンス 硬さ

 

と書いた。 そして彼は、

 

   「今月の目標・リハビリに期待する事は、何でしょうか?」

 

と訊いたので、私が

 

   「歩行能力の維持」

 

と言ったら、彼が

 

   「(歩行能力の)向上・・にしましょう」

 

と言うので、合意した。

 

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では、会計は? 本当に1割負担(いつもの半額)だった。

 

世帯分離と後期高齢者医療保険への加入(続)  

 

すると、現在の医療費によっては不利(=医療費の増大)となってしまう。 すると、女性職員は、

 

   「今、どれ位(医療費が)掛かっていますか?」

 

と訊くので。妻は指定難病の「月間医療費管理票」(2割負担)を出した。 すると、女性職員は、その管理票を持って、また消えてしまった。 否、消えたのではない、ベテランと思(おぼ)しき女性に、続いて上司と思しき男性に訊き回っているのである・・

 

漸く戻って来ると、

 

   「これ(指定難病)以外には、どれ位(3割負担の医療費が)掛かっていますか?」

 

と訊いたので、妻は

 

   「後は、歯医者位ですか、ねぇ・・」

 

と答えた。 女性は、(どちらが有利なのか)考え込んでしまった。 指定難病医療の制度での月間医療費の合計の上限額より、後期高齢者医療費の方が低いので、その意味でも後者の方が安くなる。 そこで、妻と私は、顔を見合わせて、

 

   「あのぉ・・ 後期高齢の方で、お願いします」

 

と言った。 すると女性職員は、何かを操作して、後期高齢者医療保険証を出して来た。 

 

その後、車椅子の男性職員に代わり、国保の脱退手続きをしてくれた。 やれやれ、合計で1時間程、掛かってしまった。

 

しかし、今日はもう一つ、仕事がある。 それは、保健所に行き、保険証変更による指定難病医療受給者証の訂正をしなければならない。 そこで、妻と私は車に乗り、保健所に急いだ。

 

保健所の駐車場はガラガラだったので、身障者用駐車場に停めた。 降りて建物に入ると、窓口が空いている! 早速窓口に行って用件(健康保険証の変更)を伝えると、新保険証のコピーを取って、テキパキと進めた。 そして最後に、

 

   「指定難病医療受給延長の手続きはお済みですか?」

 

と訊いた。 これは、8月に入ってから保険証を変更すると、受給者証が年内に届かないかも知れないかららしい。 その時は、領収書を取っておけば、還付申請できる事を、添えてくれた。

 

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こうして、3つの手続き(世帯分離、後期高齢者医療保険への加入、指定難病医療受給者証の訂正)が終わったが、時刻は昼に近づこうとしていた。 そこで帰路、コンビニでサンドイッチを購入し、帰宅後、お昼にした。

 

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さて、市の女性職員が、もう一つ、教えてくれた。 それは、

 

   「75歳になるまで、また(後期高齢者医療保険から)国民健康保険に戻れますからね」

 

と言う事だ。 来年からは、指定難病医療の月間限度額が5000円になるので、試算しなければならない。

 

世帯分離と後期高齢者医療保険への加入

 

2017年8月に入って、最初にする事は、世帯分離と国民健康保険を脱退し後期高齢者医療保険に加入する事である。 前者は、長男を世帯主とするものであり、後者は、75歳を待たずして、本人負担が1割で保険治療を受けられる制度だ。 

 

先ずは前者の手続きを実行しよう。 その理由は、長男も大学卒後3年を経過し、経済的にも独立したからである。 ・・と言うのは建前。 住民税非課税世帯(妻と私)に課税者(長男)がいると、介護保険料がアップするからである。 

 

尚、世帯分離は「届け」であり、分離するには理由は要らないし、市役所側も拒否できない。 しかし、妻は「理由を訊かれたら、何と答えよう」ビビっていた。 唯、実際には届出者(私)の身分証明書(運転免許証でOK)の提示を求められたのみであった。

 

   「なーんだ、世帯分離って簡単にできるのね!」

 

と、手続き終了後に、妻が言った。 尚、同一住所に、世帯主が何人いても良い。

 

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続いて後者の手続きをしよう。 ただ、それには条件があり、対象は身体障害者手帳なら1~3級と4級の一部、療育手帳なら(A)・A、精神障害者保険福祉手帳なら1・2級の所持者や障害年金1・2級の受給者等である。

 

さて、妻と私は(念のため)2人の国保の保険証と私の身障者手帳を持って、市役所に出掛けた。 車を身障者用駐車場に停めて、建物の中に入った。 勿論、杖を使い、妻の介助を得て、2級は2級らしく・・

 

窓口に行き、用件を伝えて赤いプラスチック製の番号札をもらった。 月初の午前中は、混んでいるのを覚悟で行ったが、事実、7~8つあるカウンターはすべて満席であった。 周囲を見回すと、待っている人も2~3人なので、待つ事にした。

 

すると10分程して、長身の女性に呼ばれ、窓口前の椅子に座った。 そしてその女性職員の問い掛けから、長い手続きが始まった。

 

   「今日は、どの様なご用件で?」

 

これに対して、妻は私の国保の健康保険証と身障者手帳を出して、こう言った。

 

   「主人の健康保険を、国保から後期高齢者に変えたいんですが?」

 

すると女性職員は、私の身障者手帳を開いたまま、固まった。 今にして思えば、

 

   「(まだ75歳前なのに、この人達は何を言っているんだろう。 それに、何で身障者手帳を提示するのだろう・・ まさか・・)」

 

と言う事は、無いだろう。 しかし、保険証と手帳をフォルダに入れたまま、

 

   「少々お待ちください」

 

と言ったまま、消えてしまった。 暫くして戻って来ると、こんな案内をしてくれた。

 

   「あのぉ、もし(ご主人が)後期高齢者医療保険に加入しますと、国保の方の割引が無くなるので、(国保との)合計の保険料が上がってしまいますが・・」

 

と。 当然、

 

   「差額は、どれくらいですか?」

 

と妻が逆質問した。 すると、女性職員は、

 

   「2万円~2万5千円位でしょうか・・」

 

と答えた。

 

烏賊博士と投資話で盛り上がる

 

さて、7月の下旬にいつもの学園の、いつものラウンジに行った。 勿論、そこに勤務する烏賊博士と会うためである。 しかし、道路が渋滞して遅れそうだったので、その旨をメールしておいた。 そのせいか、私がエレベータを降りてラウンジに向かうと、既に彼が待っていた。

 

先ずは、ランチである。 この日は、魚肉ソーセージのピタ・サンドイッチとアンパンである。 彼のアンパンに対するこだわりは。ガワをフランスパンの様に作る事らしい。 事実、後者には歯応えがあった。

 

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で、今回は本題から思わぬ方向に話が展開した。 彼が興味をもっているのは、PD関連疾患患者の脳波である。 そしてその分析のための脳波計は、買った。 そしてその解析のためのワンボードコンピュータ・Raspberry PI3も、揃った。 では、残るソフトウェアであるが、何で記述したら良いのか迷っている様だ。 

 

では、何が使われている例が多いのだろう? 彼が読んだ調査結果では、Pythonだそうだ。 更に同調査によれば、彼の得意とするPascalは、20位らしい。 それを聞いた私は、思わず

 

   「Pythonって、Interpreterじゃない!?!」

 

と言ってしまった。 と言うのも、Pascalの様なCompilerの方が実行速度が高い・・と思っているからだ。 しかし、ハードウェア、例えばCPUやmemoryの高速化によりその差が縮まったのか、十分な速度が得られるからであろうか?

 

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では、ソフトウェアの進歩は? これは、いつかも書いたが、AIである。 今、自動運転の(電気)自動車が注目を集めているが、それに搭載されると強力なツールとなるだろう。 そんな未来志向の車を開発している会社として、彼は、「テスラ」を挙げた。 勿論、米国のベンチャー企業である。

 

彼のテスラに対する評価は、高かった。 そこで私が、

 

   「私、テスラの株、持ってんだぁ・・」

 

と言うと、彼の眼が一瞬「キラリ」と光った(様な気がした)。 すると、彼から

 

   「いくら?」、「どこで買ったの?」

 

と矢継ぎ早に、質問が飛んで来た。 彼は投資の利回りについて、こんな実態を紹介した。

 

   「日本は(投資先として)ダメだね! (実質利回りが)0%だった。 それに比べて海外だと、4.2%・・」

 

   「海外 ・・って、カナダ?」

 

   「うん・・」

 

   「メイプル金貨(の購入による蓄財)は、まだやってんの?」

 

   「うん、後はプラチナね!」

 

彼は、こんな説明をした。 金とプラチナの価格って相補的らしい、 (だからリスク分散として、適している。) また、戦争が始まると、必ずプラチナの価格が上昇すると言う。

 

だから彼は、退職金の半分を金+プラチナに注ぎ込んだ。 そして残りの一部をカナダを中心とした海外のマーケットに投資しているらしい。

 

私が豪ドルベースの投資をしていると紹介すると、彼は、

 

   「豪ドルって、面白いと思うよ。 (為替の)上下が大きいから」

 

と言う事だった。 私は利率が良いので豪ドルを選択したのであるが、色々な観点があるものである。

 

芝に目土を入れる  

 

芝のハイシーズンとなった。 そのため、ほぼ一週間に1回のペースで芝を刈っている。

芝を刈っていると、芝の不等沈下がきになってくる。 これは芝刈り機が水平ではなくなるので、直ぐ分かる。 まぁ、多少は気にしないが、コンクリートとの境界は別だ。 ・・と言うのは、芝が下がっていると、芝刈り機が斜めに下がって、コンクリートの縁に刃が当たっては一大事だからだ。

 

これを防ぐためには、低くなっている場所に目土を入れるのであるが、この様に芝生を平らにする作業を「不陸修正」(ふろくしゅうせい)と言う。 え? 「陸」は(ろく)じゃなく、(りく)じゃないか・・ですって??? いえ、(ろく)で良いのです。

 

と言うのも、(ろく)は「平らな土地」、「耕作に適した土地」を意味する。 その逆を、「ろくでなし」、「ろくでもない」と言う。

 

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少し脱線したが、そこで私は、①目土を入れ、②トンボで均し、③十分散水した。 まぁ、文字にするとこれだけだが、実際は大変だった。

 

先ずは、①目土を入れるのであるが、目土は16リッターの袋入りが買ってある。 これを補修場所までの約12m、どう運ぶかが問題だ。 重くて、持ち上げて運べないからである。 で、台車で運ぶしか無い。 そこで台車を取りに行くのであるが、台車は30m先の木小屋内にある。 勿論、歩いて取りに行く。 問題は帰りだ。 台車のハンドルを持って歩くのであるが、体重を掛ければ台車は軽いので私の体重を受けて突進気味に進み、体重をかけなければ中腰なので歩き難い。

 

そして、台車に目土の袋を乗せるのにも苦労した。 何しろ、「持って歩く」事が不安定なので、足の位置を固定して、(バスケットボールのピボットの様に)袋を持って台車に乗せた。 こうして何とか運び、移植ゴテで袋を破って、土を入れた。

 

続いては、②トンボで均した。 なぜこれが大変だったかと言うと、トンボを取りに行く

必要があるからだ。 いや、取りに行くのはイイのである。 持って帰る時に、バランスが取れないのだ。 引きずる訳にも行かないので、長い杖として使った。 勿論、杖としては、使いにくいのであったが・・

 

こうして何とかトンボを運んだら、次は均す必要がある。 そのためには、トンボに「適度な」力を入れて引かなければならない。 と言うのは、強すぎるとトンボが土に食い込むため、引けない。 弱すぎると土を運べない。 つまり、私の苦手な「中間」的な力が必要なのである。

 

最後は、③十分散水する事だ。 それには、水道のホースが必要だ。 ホースまで約10m、辿り着いても、今度は水を出したまま、補修場所まで戻らなければならない。 と言うのは、通常はホースを伸ばし、それから水を出すためには、補修場所と水栓との間を2往復しなければならないからである。 歩行困難な私は、1往復で済む様に水を出したまま、水栓から戻る事にした。

 

しかし、現実には水の出ているホースを持って歩くのは、難しい。 その理由は、ホースがリールから出る時の抵抗(=負荷)が、一定でないからである。 

 

それでも、転倒しそうになりながらも散水し、また戻った。

 

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こうして、不陸修正は何とか終わった。 去年だったら10分で終える所を30分以上掛かってしまった。 私の不安は、この芝生のメンテナンスをいつまで出来るか・・と言うより、来年は出来るだろうか・・と言う事だ。

 

 

リハビリ385―またしても、Y士

 

2017年7月下旬の今日は、リハビリの予約日だ。 そこで妻の運転で総合病院に行き、病院の正面玄関で降ろして貰った。 降りる時に、警備員が車のドアの開閉を補助してくれた。

 

私はいつもの様に、自分で外来用の車椅子を借用し、妻を待った。 やがて駐車場に車を置いて来た妻がやって来て、再来受付機の所で合流した。 そして、妻の介助により、外来リハビリ室に着いた。

 

さて、臨時の医師の予診を受け、待合室の椅子に座って待っていると、Y士が声を掛けて来た。 そう、担当はまたしても士である。 と言うのも、I士が一週間程、不在だったのだ。

 

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で、一緒にリハビリ室に入り、空いている台を探して確保した。 さて、彼の懸念は、私の円背(えんぱい)である。 そのため。リハビリ時間の多くをその補正に費やした。 例えば、うつ伏せの私に(体重を掛けずに)跨って背中を押したり、ハーフカットを背中に置いて寝そべらせたりした。

 

Y士は真面目である。 きっと

 

   「(Iさんの留守にIさんの代役として〇〇さんのリハビリを仰せつかって、『手抜きリハビリだった』なんて言われない様に)」

 

とでも、思っているのだろうか・・ と思える程である。 この総合病院の理学療法士作業療法士は、例外なく熱心である。 

 

まぁ、そんな真面目さ・熱心さを備えている事を揶揄するつもりは毛頭も無いが、時として裏目に出る事もある。 それは次の事例だ。 Y士は

 

   「チョット、お待ち下さい」

 

と私に言い残して、部屋の隅に行った。 そして、枕を持って戻って来た。 但し、枕と言っても、直径50cm・長さ70cm程の俵型である。 彼は私に横になる様指示し、枕を私の胸に当てた。 つまり、抱き枕である。 その目的は、右腕をその枕の上に、ダラーンと置くためだ。 

 

その状態で、Y士は私の背骨(脊髄)を下方向、私にとっては左方向に押した。 これが、痛い・・。 いや、脊骨が痛いのではない、彼の手が当たる所の皮(膚)が痛いのである。 その理由は、皮が自分の背骨と彼の手に挟まれるからだ。 私は、思わず

 

   「チョット、強いんですけど・・」

 

とは言ったが、一生懸命に施術するY士に対して遠慮があったのだろう、元々小声だったのが一層小声になり、彼には届かなかった。

 

まぁ、真面目で熱心な彼が、患者の円背を補整しようと一生懸命に施術しているのだから、自分も我慢しなくっちゃ・・ と思い直した。

 

最後に私の歩容を観察したが、特に指摘は無かった。