パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

抄読会―5

2016年2月の中旬、さて、抄読会も今回が終わると、暫く無い。 と言うのは、いつもの友人の学校での講義が今日で終わってしまうので、このターミナル駅まで来ないからである。 

 

そこで、私はいつもの様に自宅近くの駅までの送迎を妻にお願いし、電車でターミナル駅まで一人で出掛けた。 まぁ、狭い改札口ですくんでしまう位で、特にリスクは無い。 実際、転んだ事もないし、またプラットホームでヨタった事も無い。

 

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そんな訳で、待ち合わせの時間ジャストに着いたら、彼が店舗入り口でコーヒー店の店員と話していた。 そして私の姿を見つけると手を振った。 店員はそれを見て去ったので、彼が私の到着の有無を店員にたずねていたのだろうと思った。 でも、自分が先に着いたとか、私を心配して・・とか、決して恩着せがましい事は言わないヤツである。

 

で、私が歩行に難がある事を知っている彼は、私の分のコーヒーも買って来てくれた。

 

さて、今日の話題は? 

 

色々あるが、随意運動の仕組み(大脳皮質と筋肉)である。 まぁ、彼はこれまでの教科書に不満があった。 例えば、皮質の運動野とその奏効器官との関係では、ブロードマンの脳地図が有名であるが、彼はこれに異を唱えた。

 

   http://www.geocities.jp/zizi_yama60/base/image4.jpg

 

と言うのは、彼のスキームの中の大きな領域を占める「親指を例に採ると、親指を曲げる・・と言う動さには複数の筋肉が関与しているハズである。 従って、単一運動野と筋肉が1:1に対応する事はあっても、器官と対応するハズは無い。」と。 逆に言えば、その筋肉が単一の運動野のみに支配されている事も無い」とも。 「これを教科書では、1:1の対応しか説明していない」と。

 

また肝心の神経と筋肉との関係の説明では、「筋肉の収縮機構は分子レベルで詳細に書いてありますが、神経系と筋肉系の協調に関しては脊髄反射の話ばかりです。 脊髄反射は姿勢を保持する役割が主で、個体の運動については曖昧です。」とも。

 

では、彼が納得できる教科書は、無いのか? それが、あるそうなのです!!!

 

   「The Neuroscience of Human Movement(ヒトの動きの神経科学)」

 

だそうです。 パラパラと見せて貰いましたが、確かに一つの筋肉に複数の神経支配のスキームもありました。 某通販で、中古で1000円程らしいのですが、日本語訳は4000円位するとか?

 

これじゃぁ、日本人の99%が文盲(=英語が理解できない)と言われても仕方ない。 そこには、1000円の教科書の訳本が4000円では、学生は中々買えない・・と言う意味もある。