パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ128―失笑


早いもので、7月下旬となった。 今月最後のリハビリの日だ。 つい先日、「20137月となった。 今年も半分が過ぎた事になる」と書いたばかりの様な気がする。

 

いつもの様に、M医師の予診を受け、O士によるマッサージが始まった。 私がうつ伏せになり、背中のマッサージを受けていると、初老の女性のリハビリの様子が見えてきた。

 

女性は入院患者で、片腕に障害(骨折?)がある様だ。 車椅子で平行棒の端まで連れてこられた。 見ると、女性の理学療法士が、二人も付いている。 いや、女性が二人も付いているのが羨ましいのではない、なぜ二人も必要なのか分からなかったのである。

 

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女性患者のリハビリは、平行棒の間を歩いて往復する事らしい。 平行棒のもう一端には患者が休める様に、パイプ椅子が置いてある。

 

私が気付いたのは、復路、つまり女性理学療法士が患者をパイプ椅子から立たせ、車椅子に戻らせる場面である。 患者の声は聞こえないので、理学療法士の声ばかりが室内に響くのだ。

 

   「さぁ、○○さん、頑張りましょ?」

 

   「あと5mや、さぁ、手摺りを持って・・」

 

と椅子から立たせ、片手で平行棒を握らせた。

 

   「そう、出来るじゃない! 凄いわねぇ・・ そう、次は足を出してぇ・・」

 

   「さっきは出来たのに、どうしちゃったのかな?」

 

   「そうそう、その調子! もう少しよ!!!」

 

兎に角、褒めて、おだてて、激励しているが、その割には患者はシラッとしている。 そのギャップに思わず失笑してしまった。 すると、私の背中を施術しているO士は、

 

   「痛かったですか?」

 

と、私に訊いた。 慌てて私が事情を説明したら、O士は笑いながら納得してくれた。

 

見ているとその患者は、平行棒を往復しただけで、車椅子で病室に帰って行ってしまった。 

 

それにしても、我儘な患者もいるものである。 リハビリが自分のため・・だと理解していないのは自己責任として、あれで保険点数が規定時間分付いてしまう事が、勿体無いと思ってしまった。