リハビリ37―研修生
予診の医師にもその事を告げ、憎悪した症状(すくみ足、脂汗、眼瞼下垂など)を告げたが、例によってコメントもなく、モニターに向かってキーボードを打っているだけだった。
―――――――――――――――――――――――
定刻の3:40となったが、Y士はまだ前の患者の次回予約を調整している所だった。 予約表の書類を持って私達(妻と私)の前を通り過ぎる時、定刻を過ぎている事を意識したのであろう、
「ちょっと、待って下さいね」
と、声を掛けて言った。
それでも、5分遅れでリハビリ開始となった。 すると、近くにいた見慣れない男性が、挨拶に来た。
「研修生のMと申します。 本日は、見学させて戴いて宜しいでしょうか?」
と、首から下げた名札を示しながら言った。 学生らしい、初々しい印象だ。 もちろん、快諾した。
M学生は、リハビリ中は邪魔にならない様少し離れていたが、熱心にメモを取っていた。 礼儀正しく熱心な様子に、好感が持てた。
―――――――――――――――――――――――
そして、リハビリ開始となったが、開始前にY士は
「先週はお休みを頂戴し、有難うございました」
お礼を言われるとは思ってもいなかったので、私は気の利いたコメントもできなかった。