パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

T医師の話題とコアラ抱っこの写真

 更に話は、メモにある服薬率の事に転じた。 そこにはこの8週間で処方薬を飲み忘れた3回の日と、飲み忘れた時の自覚症状を書いておいた。 これにはI医師も感心し、

 

   「こんな事まで書いてくる患者って、初めてです・・」 (I医師)

 

と、小声でつぶやいた。 私は、

 

   「折角、(前任の)T先生に処方して戴いたんですが・・(飲み忘れてしまいました)」 (私)

 

と、反省とお詫びの気持ちを表したかったのである。 すると、私のメモを凝視しているI医師の口から、こんな言葉が漏れた。

 

   「T(医師)とは一緒に仕事をして、長いんです・・」 (I医師)

 

これを聞き逃さなかった私は、こう言った。

 

   「ええ、(I)先生がT先生の一学年上と窺っています」 (私)

 

これをきいたI医師はカルテに向かいながら、

 

   「ちぇっ! (Tは)余計な事を言ってぇ・・」 (I医師)

 

と、舌打ちをして、小さな声で独り言を言った。 私は笑いを堪えるのに、必死だった。

 

この頃から、診察室の空気は一変して行った。 そのダメ押しが、私の写真である。 この病院の脳神経内科を受診する直前の20108月下旬、オーストラリア家族旅行の時のものだ。

 

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妻が膝に持っている写真(私がコアラを抱っこしている)

 

http://img.pics.livedoor.com/011/6/c/6ce89e23842ae473504d-1024.jpg

 

を見て、I医師が

 

   「あ、それ・・ 私も行った。 ケアンズでしょ! 何年か前に・・」 (I医師)

 

と、嬉しそうに言った。 でも、その写真の意味はT医師から受け継いでいない様である。 それを察した妻が、I医師に説明した。

 

   「T先生が、主人の表情の変化が分かる様に、発症の頃の写真があれば・・」 (妻)

 

   「あぁ、途中から診察すると、(変化が)分かんないもんね!」 (I医師)

 

   「えぇ、その頃の大きな写真と言うと、こんなのしか無くて・・」 (妻)

 

I医師は、直ぐにその(昔の写真を持参した)意味を察した。 そして一旦席を立ち、どこからかデジカメを持ってきて、カメラを私の顔にむけたのである。