プリウスのリコール
実は、11月上旬に、プリウスを含むトヨタ車のリコールの案内が封書で届いていた。 曰く、
「ハイブリッドシステムにおいて、異常判定時の制御プログラムが不適切なため、急加速時等の高負荷走行中に昇圧回路の素子が損傷した場合、フェールセーフに移行すべきところ、移行できないことがあります。そのため、警告灯が点灯し、ハイブリッドシステムが停止して、走行不能となるおそれがあります。」
と言う事らしい。 我が家では、「高負荷運転」なんてする人はいないが、まぁ、折角なので受け様と思う。 しかし、この問題では一度、昇圧素子の損傷防止のリコールを26年2月に届けており、今回のリコールは、万が一上記内容の事象が起きた場合でも、より確実にフェールセーフ走行に移行させる様、プログラムを書き換える・・と言う。
オイオイ、昇圧素子の損傷のリコールなんて、聞いてないゾー!!! 万が一、始めの問題とその後の今回の問題の間の4年間に、再度(昇圧素子の損傷による)事故が発生したら、どう責任を取るんだ???
しかも、「本来であれば、速やかに修理させていただくところでございますが、修理の準備に時間を要しております。 今しばらくご猶予をいただきたく・・」ですって!
そして待つ事、6週間、漸く
「このたび、修理作業をお受けいただける運びとなりましたので取り急ぎお知らせ申し上げます。」
だってさ!?! しかも、
「本ご案内直後からしばらくの間は、修理のご要請が集中し、お客様の希望される日時に修理ができないことも予想されます。はなはだ勝手なお願いではございますが、あらかじめ最寄りの取扱い販売店にご希望日時等についてご相談を賜りますようよろしくお願い申しあげます。」
ですって‥ ま、トヨタのハイブリッド車の台数から推したら物凄い数になるであろうから、大変なのは理解でできる。 しかし、一つの事象に対して2度もリコールを行い、しかも、中には最初リコールを知らない人もいる様だ。
なぜ、2回目のリコールが遅れたのか? これは、本来トヨタ自動車の内部で検討すべき課題ではあるが、私なりに推定して見よう。
- ① 素子の改良が出来た時点で、ソフトウェアの開発が間に合わなかったか、開発されたソフトウェアの検証が間に合わなかった。
- ② 素子の改良の検証は比較的簡単だが、ソフトウェアの検証は実際に旧ソフトウェアでエラーを起こす条件で新ソフトウェアなら起こさない事を確認しなければならないが、その事象が(例えば、昇圧素子の破損の様に)偶発的に発生するのであれば、検証が困難である事は想像に難くない。
- ③ 新しいソフトウェアを導入したら、従来のソフトウェアとの整合性が失われてしまった。
まぁ、③は良くあることである。 そしてこの時、私は滞米時にPD-11(ミンコン)を使っていたラボの壁に次の様な張り紙を見たのを思い出した。
「Software is a gold-plated turd.」