パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ453―今年(2018年)最後のリハビリ

 

2018年12月下旬の某日は、リハビリの予約日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 いつも通りM医師の予診を受け、折り畳み椅子で待っていると、5分遅れで、担当のS士が声を掛けて来た。 そう、今日は理学療法が先だった。

 

私は、椅子から立ち上がろうとしたが、偶々、足が前に出ていて上手く立てなかった。 すると、S士が私の左腕を押さえてくれた。

 

   「今日は、調子悪いのかなぁ?」

 

と言いながら、リハビリテーション室に入った。 早速、彼は、

 

   「遅くなって、すみません」

 

と詫びを入れた。 その後、彼は台を清拭した。 いよいよ、施術だ。

 

   ――――――――――――――

 

彼は仰向けの私の右側の足元に位置し、私の右脚を持ち上げ、自分の左脚で私の左脚を押さえた。 そう、ハムストリングスのストレッチである。 彼はそれを、

 

   「太腿の裏側を、伸ばしますねぇ・・」

 

と言いながら、私の右膝を(曲がらない様に)抑えた。 そして彼が右脚を持ち上げると、80度位まで開いた所から痛みを感じる様になって来た。 

 

すると、私の左脚を押さえている彼の脚に力が入り、痛くなった。 私が、

 

   「あのぉ、左脚が痛いんですけど・・」

 

と言うと、彼は直ぐに、自身の圧力を引いた。 そして、90度位まで伸ばすと、痛みは増していった。 彼は、私に

 

   「ごめんなさいね・・」

 

と言いながら、角度を増して行った。 しかし、私の限界を知っている彼は、私の表情を見て止めた。 そして、脚の角度を70度位まで戻した。 相変わらず私の膝は、彼の左手により、伸びたままだ。 

 

その状態で、彼は私の爪先を、向う脛の方向に近づけた。 すると・・ 脹脛の筋肉に痛みが走った。 私は彼に、

 

   「限界です」

 

と言うと、彼は力を抜いて、右脚に対するストレッチは終了した。 続いて、左脚に対しても行ったが、右脚に対する程ではなかった。

 

   ―――――――――――――――

 

その後、横を向いたり、タオルを敷いてうつ伏せになり、足を膝の方に曲げるストレッチ等を行った。 施術途中、彼が

 

   「今日が今年最後のリハビリですかぁ・・」

 

と独り言の様に言ったので、わたしが、

 

   「良い年を、お迎え下さい」

 

と言った。 すると、彼は、私のその様な反応が意外だった様で、

 

   「アッ、良い年を・・」

 

と返した。

 

   ――――――――――――

 

こうして本年最後の理学療法が終了し、続いて作業療法になった。 S士の指示で、台で仰向けになって待っていると、M士がやって来て、デスクに移動しましょう・・と言った。 私がデスク前の椅子に腰掛けると、彼は棚から2つの深い皿を持って来た。 その片方には、ビー玉が30個程入っていた。 彼は、2つの皿をデスク上に置き、右手をビー玉のある皿に突っ込み、ビー玉を3つ一度に取り出した。 即ち、その3つを人差し指と中指・中指と薬指・薬指と小指で、同時に挟んで、もう一つの皿に移して行くのである。 

 

   「両方の手で行って見て下さいね」

 

と言いながら、何処かに消えた。 まぁ、3つ一度に挟むのは難しいが、右手が何とか終わった。 続いて左手で同じ事を行ったが、薬指と小指で挟むのが難しく、結構、時間が掛かってしまった。

 

私が、左手で半分位終えた所で、M士が戻って来た。 彼は、デスクの対面に座り、私が運び終わるのを待っていた。 私が、何とか終えると、彼はそれらを元の棚に戻し、A4の紙数枚と鉛筆を机の上に並べた。 そう、書字練習用の紙を取りに行っている間の時間も有効利用しようと言うのだ!

 

   ―――――――――――――

 

さて、鉛筆での書字であるが、いろは歌雨ニモマケズの途中(イツモシズカニ~カンジョウニイレズニ)である。

 

先ずは、いろは歌(いろはにほへと・・)からである。 いつもの様にお手本を1行なぞってから、隣の空白行に書いて行った。 すると、空白行で私の悪癖が出てまたしても早くなり、チャンと書くためには彼のキューを必要とした。 具体的には、彼がデスクの天面を指でタップしてから、次の1画を書くのである。

 

それを見て、彼がまたしても

 

   「イイですねぇ!」

 

と褒めるのであった。 しかし、雨ニモマケズの手本の方には漢字が混じり入っているが、漢字が良い形に書けないのである。

 

   ―――――――――――――

 

そんな事をやって、無事に今年最後の作業療法も終った。 しかし、M士は次の患者が待っているらしく急いでいた様子で、宿題を提出し忘れたのみならず、年末の挨拶すら忘れてしまった。