パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ77―紙をめくる


Y士が、

 

   「日常生活で、何か困った事はありますか?」

 

と質問したので、

 

   「狭い所を通る時に(足が)すくんでしまう事と、重なった紙をめくるのが難しい事位でしょうか」

 

と答えると、指先が思う様に動かないからなのか、訊かれた。

 

   「いや、指先はチャンと動くんです。 キーボードも・・」

 

と答えながら、両腕を胸の前に出してパソコンのキーボードを打つ真似をした。 すると、一瞬、Y士が固まってしまった。

 

   「ああ、ビックリした・・ 楽器のキーボードかと思っちゃった!」

 

でも、私が楽器を弾けたら、驚きなのだろうか?

 

   ―――――――――――――――――――――――

 

Y士は立ち上がり、

 

「それでは、付いて来て下さい」

 

と、私を促して、作業療法室のイスに座る様に指示した。 この部屋を使うのは、初めてである。 するとY士は、隣室からA4の上質紙を探して来て、縦・横に4つ折りにして、

 

   「さぁ。これをめくって見て下さい」

 

と促した。 私が

 

   「いえ、こう言うのは(容易に)出来るんです。 難しいのは、感圧式の伝票の様に薄い紙が何枚か重なったものなんです」

 

と、説明した。 

 

   「ええ、これはわざとずらしてあるんです。」

 

そうなのである、四角が5mm位ずれていたのだ。 次回は見本を持参しよう。