パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

転倒事故2−救急車で、総合病院へ

遠くの方から「ピーポー、ピーポー」と言う音が聞こえ、その音は段々大きくなって来た。 そして道路を左折して会社の正門から構内に入ってきたのが見えた時、

 

   (ああ、助かった・・)

 

と、思った。 

 

隊員は、テキパキとした動きでストレッチャーを私の横に並べて、

 

   「どうですか、(ストレッチャーに)移れますか?」

 

と、聞いた。 私が右腕で痛む左腕を押さえながら、

 

   「左腕が痛くて・・ それに腰も打ったらしく・・」

 

と伝えたら、隊員が移動を支えてくれ、何とか乗り移る事ができた。 隊員は掛け声と共にストレッチャーの脚を伸ばして、救急車内に移した。 救急車の内部を見るのは初めてではないが、患者として乗るのは初めてである。

 

狭いながらも、色々な器具や機械が並んでいる。 隊員は、黒いクリップを私の右手の指に取り付けた。 すると左横の液晶画面に波形や数字が現れたので、どうやらモニターのプローブらしい。

 

隊員は、私に色々と話しかけてきた。

 

   「何か、治療中の病気はありますか?」

 

   「ええ、パーキンソニズムで・・」

 

   「ああ、それでトットットと走って、止まれなかったのですね?」

 

と、突進歩行の真似をしてみせた。 この頃、総務から電話連絡を受けた妻が到着し、総務部長と交代した。

 

   「そうです・・」

 

   「じゃぁ意識消失とかでは、ないんですね?」

 

   「ええ、それはありません。」

 

   「衝突の瞬間は、憶えていますか?」

 

   「ハイ」

 

これらは、単に事故の状況を聞き取るだけでなく、バイタルをもチェックしているのである。

 

   「治療中の病院は、どちらでしょうか?」

 

   「○○総合病院です。」

 

   「じゃぁ、搬送先も○○の方が良いですね?」

 

   「ええ、お願いします。」

 

と、こんなやり取りが続いた。 その後隊員は、無線電話で総合病院の救急外来と話しはじめ、受入を要請した。