パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201605―1

5月下旬の今日は、6週間振りの診察日である。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 確か前回は、S医師でなく代診のF医師だった。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2016/05/19/090133

 

そこで、受付から脳神経内科へ行くと・・ またしても、F医師だった。 その名前の表示を見た時、私は

 

   「(しまった!)」

 

と思ってしまった。 と言うのは、メモをS医師用に書いて置いたからだ。 そして、30分程して呼ばれた。 

 

妻と私は、ドアをノックして入った。 椅子に座ると、早速、問診に入った。 しかし、この6週間の様子をメモにして置いたので、問診にはあまり答えず、そのメモを渡した。

 

そのメモには、次の様に書いて置いた。

 

(1) 前回受診(2016年4月○日)以降のイベントについて 

 

① 4月○日、八王子山公園(太田市北部運動公園)に妻・義母・義妹と4人で車で出掛けた。(妻の運転)

・ 身障者用駐車場に停め、「指定難病医療費受給者証」で駐車料金が無料になった。

・ 芝桜・ネモフィラアイスランドポピーツツジ等が、満開を迎えていた。(下記URL)

 

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・ 2年前に来た時は、何とか徒歩で園内一周できたが、今回は園内周遊トロッコに乗った。

② 5月1日、親戚一同16名でバーベキューを行った。 焼き係を担当し、ビール(350ml)を3本飲んだ。

 

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  途中、疲労により義弟の肩を借り、室内に退却。 約1時間休憩し回復、集合写真(下記URL)を撮った。

 

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③ 5月6日、(自ら運転し)一人で銀行にて生活費をまとめて下ろそうとしたら、(私の了解を得て)銀行が警察に通報し、「取り調べ?」を受ける。 (○○警察生活安全課、刑事1名+警官4名) その後、警官2名が自宅にまでパトカーで付いてきて、電話の着信履歴を確認した。 (振込み詐欺防止のため)

  (65歳以上の高齢者が100万円以上を現金で持ち帰る場合は警察に通報する様、銀行に要請あり。)

④ GWの連休中は、②以外特別なイベントは無かった。 (長男・長女が帰省していた。)

⑤ 5月18日、自ら運転して知人の勤務地である○学園○校(某デパート隣)を往復した。

 

これに対し、F医師は③を見て「自分のお金を下ろすのも大変な時代になった」と、苦笑した。

 

友人の職場へ(続)

私は友人の案内で彼の職場に車でやってきて、その4階のテラスで心地よい風に吹かれながら、昼食を摂っている。

 

烏賊博士を自称する彼は、この各種学校で教鞭を執っていると言う。 そして、週2回の講義を担当しているのだと言う。

 

科目は「運動生理学」らしい。 しかも従来の「生理学」の過ちを正し、学生がどうやったら理解を深める事かに心を砕いている。 つまり、なぜ学生が「生理学」を学ぶ中でつまずくのか? その原因を精査し、キチンと段階を踏んで説明しているのだ。

 

いくら講義で公になったとは言え、ここでその中身を述べる事は著作権に触れる可能性もあるので、彼が執筆するに当たっての、私宛てのメッセージのみを紹介しよう。

 

(学生や卒業生は)「○○界から来た人が多いので、学力に自信が持てないのです。 一生懸命教科書で生理学を勉強しても、ちんぷんかんぷんで解らない。 自分が馬鹿だから理解できないと思い込んでしまいます。 教科書の権威は凄まじいものです。

 

そうじゃないんだよ! 教科書が怪しい! 運動系の生理学はこんなに混乱しているから、わからないのは当たり前なんですよ。 混乱の原因を知り、まとめ直して、理解してください。 そして、自分の仕事に役立ててください。 このメッセージが伝わって欲しいと思いました。」

 

そしてなぜ、彼ら/彼女らが自分の学力に自信が無く、コンプレックスになってしまうのかも解説してくれた。 流石は、烏賊博士!

 

更に友人は、現在の各種学校が置かれた問題も教えてくれた。 文部科学省は、2020年を目標に、授業のコマ数を増やそうとしているのだが、現実、どうこなしたら良いのか・・困っているそうだ。

 

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また、彼が所属する科での他の講義の内容も、教えてくれた。 例えば「包帯学」。 これは、捻挫や脱臼、骨折時の包帯の巻き方を教えるのだが、彼の経験を紹介しよう。

 

彼が飼っているウサギを散歩させていたら、犬に襲われて跳ね飛び、着地した時に後ろ脚を脱臼したらしい。 このままだと脱臼部位に骨が当たり、炎症を起こし重篤な結果になってしまう。 かと言って、手術も術後管理を含め、どこまでQOLを上げられるか未知数である。

 

ここで「包帯術」の登場である。 どうやるかと言うと、半分脱臼したまま包帯で固定するのである。 そうすれば、痛まないのでADLを確保できる。 ・・と言うらしい。

 

実際、その後ウサギが散歩出来ているので、完治したのだろう。 将に「技」である、素晴らしい!

 

こうして、コインパーキングに600円を投入し、無事に帰宅した。

 

友人の職場へ

さて何回か友人である烏賊博士と続けてきた抄読会も、諸般の事情でほぼ2ヶ月間、お休みとなってしまった。 そこで、5月の中旬に再開する事とした。 ただ、問題もある。 それは、交通手段と場所である。

 

と言うのは、この所の体調不良で、自宅の最寄り駅から烏賊博士の勤務地のあるターミナル駅までの電車による往復に自信が持てないのである。 では? 歩行がダメなら、車で・・ そして、彼の職場で・・と言う事になった。 彼の職場とは各種学校であり、そこのラウンジはどうか? ・・と言う。 私は他に候補も知らないので、OKした。

 

と言う事で、「車の運転は危険だ」と家族が言う反対を押し切って、車で出掛けた。 先ずはカーナビへのセットである。 文字が入力し難(にく)く、結局、電話番号検索とした。

 

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さて、ナビの予定は41分であるが、駐車場も探さなくてはならないので、余裕を見て1時間前に出掛けた。 Google Mapを見ると、駅前のデパートの裏にあるらしい。 ターミナル駅までは知った道なので、実質的な道案内は、最後の数百メーターのみである。

 

所で、運転は可能である。 座っているので、身体は安定しているし、上半身の細かい作業も、多少遅いだけで全て可能である。 オートマチックなので、下半身で使うのは右脚のみである。 しかも運転時は交感神経優位なので、開眼失行(目が開けづらい)も無い。

 

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そして途中渋滞もあったが、50分程で着いた。 建物は、Street Viewで知っているし、隣にコインパーキングがある事も知っている。 早速入庫すると、一台分のみが空いていた。 その意味ではラッキーであったが、停めにくい場所なので、何度も何度も切り返してしまった。

 

そして、杖を持って、隣のビルまで歩いた。 入り口で彼の携帯電話を呼んだら、直ぐに行く・・と言う。 事実、2~3分で彼が出て来た。 そして約束通り、彼に昼食を調達してもらい、エレベーターで4階のラウンジに行った。 そこは昼休みと言う事で、学生でごった返していた。 

 

私達は、室内の喧騒を避け、静かなテラスを選んで席を確保した。 屋外は風が心地よく、全10階の内の4階なので、一部オーバーハングになっていて、日陰を作っていた。 そしてそこに座ると、眼下に雑踏の街や遠方に新幹線の高架等が一望に出来た。

 

そこで自販機で買った缶コーヒーで昼食を摂った。 細かい事だが、学内なので90円だった。

 

リハビリ315―歩容のチェック

で、前半はいつものマッサージ・ストレッチ・筋トレである。 そして、少し早めに、歩行訓練に入った。 彼は私に、

 

   「では、靴を履いて下さい?」

 

と促し、室内を歩く様、指示した。 そう、その前に立位で上半身の回旋を行った。

 

で、私は歩き出した。 この時、意識して上半身に回旋を加えた。 すると、歩き易いばかりか、歩容も向上した(と言う自己評価である)。

 

   「(成る程、そう言うことか!!!)」

 

と得心した。 歩く前の回旋運動の意味が分かった。 そう言えば、パーキンソン症候群の患者が歩く時には、肩の回転が小さくなる・・と前々任のO士が言っていた。

 

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この時、I士は左手を出してくれて、私は彼の手に右手を添えた。 きっと私の歩容が思ったより良かったのだろう、そのまま左折して受付の前を通って廊下に出た。 そして同じ経路を戻った。 すると、I士は

 

   「どうですか、(私の)手があった方が、歩き易いですか?」

 

と訊いたので、一応、肯定の返事をした。

 

   ――――――――――――――――――――

 

所で、H士は、相変わらず少し離れて、立ってメモをしている。 そう言えば、最近で二人目であるが、他の理学療法士には付いていない。 以前も、不思議に思った事があった。

 

その時は、偶々、I士が「お世話係」の当番に当たったのかとも、思っていたが、二回とも彼に付いているとなると、偶然とは思えない。

 

では、その理由は? 次の3つの内のどれかと思われた。

 

   ① I士が、このリハビリテーション科の教育係である、

   ② I士の技術が高いので、研修生の手本となっている、

   ③ 進行性核上性麻痺が珍しいので、見学したい。

 

次回のリハビリ時でも、訊いてみよう。

 

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そして、終了時刻になったので、H士とも挨拶を交わし、次回予約を取り、本日のリハビリを終えた。 結局、開始時間が早かった分、長時間施術をした事になる。 今まで、開始時刻が定刻より遅れる事はあっても、早かった事はなかった。

 

なぜだろう? 研修生が居たから? それとも前回、定刻5分過ぎて、私が受付に行こうとしたのを見たから?

 

リハビリ314―敬老カート!?!

5月中旬の今日は、総合病院でリハビリのある日だ。 そして、リハビリ室で予診を受け、待合椅子で待っていると、壁時計で5分前にI士が声を掛けて来た。 

 

   「少し早いんですが、始めましょうか?」

 

と言い、私に付き添いながら空いている台へと、案内した。 まだ時間前なので、誰もいない。 そして、I士と同じ服装のH士を紹介した。 研修生らしい。

 

   「私、Hと申します。 本日、一緒に観させて戴いて宜しいでしょうか?」

 

と言いながら、首から下げた名札を示した。

 

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先ずは、I士による質問だ。

 

   「どうですか、調子は?」

 

   「えぇ、相変わらず(不調)です。」

 

   「転倒はしていませんか?」

 

   「大丈夫です。」

 

   「杖一本では、突進した時、(自分の体を)支えきれないでしょう? ・・ もしそうなら、こんなのを使うと良いですよ」

 

と言いながら、両腕を前に出した。

 

   「それって、スーパーの(買い物用)カートみたいな?」

 

   「ええ・・」

 

   「あれは、ダメなんです。 カートと一緒に、ツツツーーー・・と」

 

と、カートを押しながら突進するマネをして見せた。

 

   「そうか、車(=キャスター)が付いているもんな! ・・ それなら『敬老カート』みたいのは、どうですか? あれならブレーキも付いているし・・」

 

とは提案してくれたが、敬老カートを押すには、まだ抵抗感がある。

 

そんな立ち話をしながら、私は台に上がり、仰向けになった。 いよいよ本日の施術になった。 H士は、少し離れて立ち、メモをしている。

 

認知症―2

これは、なかなか手強い! そこで、更に2週間後に今度は義妹と妻のみで受診に行き、実情をかかりつけ医に話して、漢方薬(「抑肝散」)に処方を切り替えて貰った。 これなら、

 

   「漢方薬って、身体にイイんだよね!」

 

と言いながら、服薬した。

 

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ここまでの症状を纏めると、

 

   ① 短期記憶障害  (=自分で仕舞った場所を忘れてしまう)

   ② (被害)妄想 (=妻が現金や通帳を盗んだ)

   ③ 作話          (=義弟が義母宅で無くなったハズの通帳や現金を発見すると、

「○○(妻)がばれない様に、そっと戻した」と)

   ④ 激怒          (=人格が変わった様)

   ⑤ 誤解          (=一番身近な人を泥棒だと信じ込んでいる)

   ⑥ 不信          (=「○○がセンセに告げ口をするから、変な薬が増えた」と)

   ⑦ 繰り返し      (=夜、義妹に電話で何度も何度も、同じ話しをする)

   ⑧ 錯綜         (=日時の概念が曖昧になり、イベントの前後関係を間違える)

 

だろうか? これって、典型的なアルツハイマー認知症の初期症状である。 こうなったらチャンと検査をして、今からキチンと治療しなければならない。 そこで、かかりつけ医に紹介状を書いて貰い、最寄りの大学病院の神経内科に予約を取った。

 

次は、介護の問題である。 先ずは、介護の認定を取得しなければならない。これは、新しい環境で新しい人と接すると、認知症の症状を緩和するからである。 即ち、身内とばかりはなしていてはダメだから、ディケアを利用するためである。 

 

それには、市に申請し、実際に義母の認定調査を受け、主治医の意見書を添えて、介護認定審査会に掛けて「要介護認定」を得る必要がある。 実際には、義妹が市役所に電話をして、地域包括支援センターの電話番号を訊いた。 その連絡を受けた妻が実際に支援センターに架電をし、義妹と妻のみで相談の予約を得た。

 

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さて予約日に行くと、認知症専門の相談員が応対してくれた。 その人が認定調査に来るらしい。 で、話して行くと、「認知症と言うだけで、要介護1」と認定されるらしい。 つまり、その認定を基に在宅でサービスを受ける計画を立案できる・・と言う事である。

 

では、その「認定調査」がいつなのか? これは5月下旬になるそうだ。 と言うのも、

 

   「この所、そういう件数が多くて・・」

 

と言う事らしい。 しかし、事の緊急性から、仮の認定通知書を発行してくれた。

 

え? 私がなぜ、そんなに熱心なのか、ですって??? ・・と言うのは(原因や程度は別として)、「いずれ、我が身」だからだ。

 

認知症―1

2016年4月末、早朝から玄関の扉をドンドンドンと叩き、未だ起きていないと知ると、呼び鈴をピンポンピンポンピンポンと忙(せわ)しなく押す人がいる。 妻と私は一体何事かと思い、玄関の扉を開けると、義母だった。

 

   「こんな朝早くから、な~にぃー?」

 

と、妻が言うと、

 

   「オラの金返せ!」

 

と。 これがトラブルの始まりだった。 その後5月の中旬になり、落ち着いたので、ここに記録する。

 

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義母曰く、

 

   ① 現金も(預金)通帳も無い。 

   ② 銀行印もない。

   ③ 自分は、文無しになり、食費にも事欠く。

   ④ 妻が盗んだに違いない。 (合鍵を持っているので。)

 

と。 確かに、義母に何かあった時に備えて、義母の了解を得て合鍵を作ったのは事実である。

 

まぁ、去年から変な事はあった。 例えば、自分の「土地を遠縁の『Tちゃん』に盗られる」とか、「親戚のKさんが、裏でその糸を引いて、画策している」、「安倍総理が、他人の土地を取って良い日を、一年に一日だけ設けた」等である。

 

翌日も同じ口調であった。 興奮しながらも高圧的でいて、目は座っている。 まるで、別人格に思えた。

 

   ―――――――――――――――――――――

 

実はこの所、辻褄の合わない事を言ったり、日付が分からなくなったり、ついさっきの電話が誰からで、何の用だったかを失念してしまったり・・とか。 そこで、心配した義妹がかかりつけ医に相談した所、アリセプトジェネリック薬を処方してくれた。 しかし、自分は正常だと思い込んでいる人間に処方しても、無駄である。 そのかかりつけ医には、高血圧で通院していた。

 

   「この薬は○○(=義妹)がセンセ(=医師)に変な事を言ったので増えた分だから、飲まなくってイイんだ」

 

と決め込んで、飲もうとしない。 そこで、2週間後に再診を受けたら、医師は、

 

   「じゃあ、もう少し強い薬にしましょう」

 

と言って、同じ名前の(成分含量の多い)薬を処方した。 義妹が電話で服薬の確認をすると、

 

   「うん、飲んでるよ!」

 

と答えるのであるが、それは従来からの処方薬をのんでいたのであって、まさか

 

   「今回増えた、認知症の薬の分だよ」

 

とも言えなかったらしい。 後日、長女が確認したら、14日分、まるまる残っていたらしい。 しかも、長女がPTP包装から出して手渡しても、後日、その薬だけゴミ箱に捨ててあったとか?