リハビリ151―M理学療法士
11月中旬、今日のリハビリの担当は、初めてのM士である。
M医師による予診後、パイプ椅子で待っていたが、予約時刻を過ぎても現れない。 掲示には『予約時刻を5分過ぎても始まらない時は、受付に申し出て下さい』と書いてあるので、15:05を廻った所で受付に行った。
用件を伝えると、
「あっ、私です!」
と受付の女性の後ろに立っている男性が答えた。
(オイオイ、予約時刻を過ぎているゼ! 受付嬢と遊んでないで、リハビリを始めたら?)
と思った。 苗字をMと言う小柄で細身の、若い男性だ。 軽い挨拶の後、空いている台を探して、施術の開始となった。 マッサージで十分ほぐしたら先ずは病状の把握である。
「それでは台から降りて、まっすぐ立ってみて下さい。」
とM士の指示を受けて、私は靴を履いた。 そして直立不動で20秒経過し、「合格」となった。 その他
・ 両足を平行に揃えて足の内側同士を付けて20秒間、静止する。
・ 更にそのまま、目をつぶって20秒間。
・ その場で右回転と左回転をする。
・ 台への着席と、台からの起立を数回行う。
を行なった。 回転以外は、いずれの動作にも「OKサイン」が出た。 次に、立位で足を自然に戻して(=僅かに開いて)
・ 右足を前に踏み出し、戻す。 これを2回。 同じ事を左足で。
・ 次に右足を後ろに踏み戻し、前へ戻して揃える。 これを2回。 同じ事を左足で。
・ 同じく左右にステップし、戻す。 これも2回。
全て、「OKサイン」が出た。 今度は、M士が持って来た大きなバランスボールを使った。 直径が70cm位の、柔らかいボールだ。
・ 両手で、毬突き(まりつき)をする。
・ 右手だけ、左手だけで毬突きをする。
・ 毬を右手(=利き手)で突きながら、8の字に歩く。
これは、3番目の課題が上手く出来なかった。 2つの事に同時に集中できないからである。
最後の課題は、8の字歩行である。 M士は近くにあったゴム製の半球(直径15cm位)を2つ、約80cm離して床に置いた。 ここを8の字に歩くのである。
私が難なく歩いて見せたら、M士は少し驚いた表情を見せた。 きっと方向転換が苦手なので、難しいと思ったのだろう。 でも、目標物やキューがあると歩き易いのである。