パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201209―2

続いて、ベッドの横たわる様に指示したので、私は靴を脱いで診察台に仰向けになった。 実は、診察台に寝るのは、初めてである。

 

I医師は私に足を屈曲する様、指示した。 私は片足ずつ持ち上げ、膝を胸に寄せた。 するとI医師は自らの手で私の膝を押さえ、負荷となった。 そう、負荷さえ弱いが、理学療法士Y士の施術と全く同じなのである。

 

   (成る程・・ そう言う事だったのか!)

 

つまり、Y士は訓練(筋トレ)として行っていただけでなく、筋力をも調べていたのだ。

 

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更にI医師は、足首を上下させ、その機能を調べた。

 

   「うん、大丈夫そうね。」

 

つまり、主訴の一つである両下肢の脱力感は、心配に及ばない・・と言う事である。 そして診察台から下りた私に、室内歩行を促した。 これはつい1時間ほど前に、リハビリで練習したばかりだ。 下肢に力をいれ、前の脚は踵から着地し、後ろの脚で蹴り出すのだ。 その様子を見ていたI医師は、独り言の様に

 

   (私が観ていると、できるのよねぇ・・)

 

と、小声で呟いた。 更には、椅子に戻った私の顔を診て、I医師は

 

   (顔面麻痺も、なさそうだし・・)

 

とも。 これは、「食べ物をこぼす」原因の一つと考えたからであろう。

 

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総じて言えることは、私がメモに書いた症状の悪化は、心配に及ばない・・と言う事らしい。 私としては病状の悪化に不安を抱いていたが、I医師はその一つ一つを真摯に受け止め、訴えに耳を傾けてくれた。 そして診察により否定し、私の不安を払拭してくれた。

 

世の中には、

 

   「そんなの、気のせいですよ」

 

と、患者の訴えを取り合わない医師も、いるかも知れない。 でもこれまでの診察で、I医師にはその様な言動は微塵もない。 

 

私が彼女に信頼を寄せる理由の一つだ。