品質管理とは?
私はこの工場では、品質管理=品質保証+品質検査として進めて行きたいと考えている。
品質検査は、分かり易い。 工場で製造した製品が、規格基準に合致しているか否かを検査により明らかにする事である。 普通は、検査に合格する事が出荷の条件となる。
では、品質保証とは?
―――――――――――――――――――――――
品質保証とは、独立した立場での「内部監査機構」と考えている。 ある意味、消費者の代弁者でもある。 その例を三つ、挙げよう。
(1) 消費者の代理
消費者が、「あの工場では、製品をチャンと作っているのか?」と疑問を持っても、中々自身では工場の内部を見られない。 また説明を受けても、専門的な事となると、理解が届かない事も多い。
例えば工場見学で担当者から、「この製品は、65℃で10分間殺菌する事により、一般生菌数をグラム1000以下に抑え・・」などと言われても、殺菌条件や菌数規格の妥当性は分からない。 そこで品質保証は、製造部門に対して殺菌効果の検証や保存試験による消費(賞味)期限の設定根拠を求めるのである。
(2) 中立の立場
もう一つの例はクレームである。 お客様から製品について何らかのお申し出があった際に、その原因究明を行い、対策を求めるのである。 勿論、製造上の問題であればそれらを製造部門が行う事も考えられる。 しかし、それではお客様の立場に立ったことにならない。 製造とは独立した立場(=中立)で検証するのが、品質保証の役割りである。
(3) 内部監査
最後の例は内部監査であり、これが本業である。 食品工場の運営の方法には、ISO9000、ISO22000、HACCP、SQF2000、AMB・・等、色々とあるが、そのどれもが内部監査を重要な要素として位置づけている。
――――――――――――――――――――――
硬い話はこれくらいにするが、品質保証部門の存在は「あの会社は、キチンとやっているのか?」と言う疑問に答える手段や役割りの一つである。