パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

転倒する(再)!?!  

前回の転倒から、2週間程経過した、6月下旬の某夜の事であった。 私は、寝室にソーッと入った。 なぜ「ソーッと」なのかと言うと、先に寝た妻を起こさない様にである。そこで私は、自分のベッドに入った。 そこで、サイドテーブル上のペットボトル(500mℓ)を、掃き出し窓の薄明かりを通してみると・・

 

   「(な、無い!?!)」

 

と思った。 何が無いかと言うと、中身である。 つまり、ペットボトルが空なのである。 何が入っているべきか? ・・と言うと、水道水である。 つまり、例えば、夜中に目覚めた時に飲むためだ。 そして、このペットボトルを水で満たして置くのは、妻の役割りだ。 しかし、今、妻の深い寝息を聞いていると、起こすのは気の毒に思える。

 

そこで、私は、空のペットボトルを持ち、もぅ一度、来た道を歩行器を使って、戻った。 では、両手で歩行器を持って、どぅやって、ペットボトルも持つかと言うと、グリップを握った手の指を伸ばして、摘まむしかない。

 

こうやって、洗面台に着き、水流をシャワーからストレートにして、ペットボトルを満たした。 キャップを嵌めて、今来た道を左手で握った指を伸ばして持った。 しかし、水を満たしたペットボトルと言うモノは、やけに重い(0.5kg)・・ しかも、指先のみでペットボトルのキャップを抑えるのは、至難の業である。 そうは言っても、歩行器にポケットは無く、矢張り、指先のみでキャップを持つしかなさそうだ。 そこで、指がペットボトルの重みに耐えられる内に運んだ。 

 

すると、寝室の手前2m位の所で、落ちそうになった。 私は、

 

   「あと、もう少し・・」

 

と思ったのがイケなかった・・ ペットボトルにばかり、気を取られて、歩行器の足にまで、気が廻らなかった。 その結果、歩行器の足がテーブルの脚に絡んでしまったのである。 当然、上半身は前にのめってしまった。 

 

   「ガシャガシャガシャーン、ドッシーン」

 

と言う大きな音と共に、前に倒れ込んでしまった。

 

流石に、熟睡中の妻も目が覚めたらしく、起きて来た。

 

   「どうしたの?」

 

と寝ぼけた声で訊いたが、私のただならぬ格好に、

 

   「大丈夫???」

 

と私を起こしにかかった。 私は、額を漸く床から持ち上げられた。 床にはラグが敷いてあったが、妻が

 

   「出血してるじゃない!」

 

と言うのを聞いて、初めて事故った・・と知った。 鏡を見る迄も無く、額の右側が痛い。 そして、ティッシュペーパーで、血を拭うと、出血場所は、5月上旬にT胃腸科医院で縫合した、同じ場所だった。

 

 http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2020/05/23/080613  

 

急いで傷口をマキロンで消毒をして、ゲンタマイシンを塗ったバンドエイドで、抑えた。

 

   ――――――――――――――

 

こうして、処置が終わると、妻がブータレを言った。

 

   「こんな夜中に起こさないでよぉー・・ 何をしようとしていたん?」

 

と。 これに対して、私が経緯を話すと、妻がトーンダウンした。 そこで、私が

 

   「夜中に傷の手当で起される位だったら、水を汲みに起こされた方がマシ?」

 

とツッコミを入れると、妻が

 

   「そうに決まってるじゃない!!!」

 

と言うので、私が楽しみにしているが、未だに「その機会」は無い。 きっと妻も気を付けているのだろう。 

 

尚、翌日のリハビリには、バンドエイドは外して行った。