抄読会―19
2月上旬の抄読会の日である。 例によって、自分で運転して○○駅近くの○○学園に行った。 一応、(念のため)杖は持参した。
4階の学生用ラウンジに着くと、学生数人のみで閑散としていたが、到着した烏賊博士曰く、
「今日で、3学期の授業が終わるんだ」
と。 どこでも、座りたい放題だ。 そして椅子に座り、彼の手作りのピタ・サンドイッチで昼食を済ませて、本論に入った。
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先ずは、これまでの事を纏めてみよう。
私の主訴は、歩行障害である。 特に、歩行開始時の「すくみ足」に困っている。 一方、歩行開始時(の直前)に脳波に「予備電位」が現れる事が知られている。 そこで彼は、
「PD患者が歩き初めにすくむ時は、この予備電位に異常があらわれる」
と言う仮説を立てた。 そしてそれを検証するために、脳波計を2種類購入した。 一つはシングル(=1)チャンネル、もう一つはマルチ(=5)チャンネルである。 後者では、脳内の活性部位を知る事ができる。
ただ、「活性部位を知る事ができる」と言っても、5チャンネルではたかが知れている。 そこでもし可能なら、fMRIも考えている・・と言う。
そして、脳波計からBluetoothで送られて来る信号を「Raspberry Pi 3」と言うワンボードコンピュータをデータロガーとして収集しようと考えている。
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所が、ここで問題が生じた。 それはBluetoothである。 規格が複数あるためか、OSとの相性(iOS10、Android)があるのである。
これでは困るので、彼はもう一つ、フロントエンドプロセッサーをかませようと考えている。 勿論、それもワンボードコンピュータの一種である。 それが前述のRaspberry Pi 3と相性良く作られているらしい。
更に、解析ソフトはWindows上の無料ライブラリーが公開されている・・と言う。
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Raspberry Pi 3に関する衝撃的な問題は、価格である。 カタログでは35$(約4200円)である。 勿論、コンピュータとして動かすには、電源、MicroSDメモリー、KB、マウス等が必要になる。 それを考慮しても、兎に角安い。 更にはソフトも無償で提供されている。 元々教育用に作られた・・と聞けば、納得である。
その結果、販売台数はうなぎ登り・・ 累計台数が1,000万台とか? 開発者が「一生かかって、1万台か・・」と思っていたそうだ。
https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/38
こんな便利なキットでコンピュータの成り立ちやソフトウェアの開発などを学べる・・としたら、次の世代では日本はIT分野で完敗である。