パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

介護の診察(3)  

 

さて、3月最初のリハビリの日となった。 いつも通り、送迎車でN整形外科に行くと、リハビリ受付で、H嬢が

 

   「今日は、診察のある日ですね?」

 

と。 はて、私は聞いていない。 ただ前回が12月中旬だったので、今月中にあるのは、確かだ。 そこで、リハビリ場所で待っていると、診察室からお呼びが掛かった。 私が答えると、私が車椅子なのを知り、看護師が迎えに出ようとしたら、リハビリ助手がサッと現れて、診察室の入口まで運び、看護師に引き渡した。 成る程、そこがそれぞれのテリトリーなのだろう・・

 

さて、診察室に入ると、N医師が私の方をチラ見して、

 

   「今日は、一人ですか?」」

 

と訊いた。 私は、勿論、

 

   「ハイ・・」

 

と答えた。 余程、妻の印象が強いのだろう。 すると、N医師は背中の圧迫骨折の様子を訊いた。

 

  「どうですか、背中への具合は? 100%まで治らないとねぇ・・ 例えば(仰向けでの)尻上げも時間が、10秒、20秒、30秒と、段々長く出来る様にならないと、ね!」

 

と。 しかし、それは医療保険の方の診察である。 それでも、私は、100%の所で、

 

   「ハイ、100%治りました」

 

と言った。 そのため、尻上げのテストに言及したのだろう。 そこで、私は診察台に上がり、仰向けになって両膝を立てて、お尻を持ち上げた。 すると、N医師は、

 

   「もっと・・ もっと持ち上げてぇ・・」

 

と、言うや否や、看護師が

 

   「1、2,3、4。5 ・・」

 

と数え始めた。 それが、60に達すると、

 

   「ハイ、いいですよ、1分ね!」

 

とN医師が言った。 どうやら合格らしい・・

 

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そして、N医師は、

 

   「それじゃ、引き続きリハビリを頑張りましょう」

 

と言って、診察を終えた。 結局、N医師が椅子から立ち上がる事はなかった。