保存食の製造
さて、6月の保存食と言えば「梅干し」であるが、その前に5月下旬の「伽羅蕗」を紹介しよう。 勿論、基本的な配合や製造工程は前回とほぼ同じであるが、前回は写真も無く、淡々と書いてしまったので、今回は写真を多用し、コメントも添えたい。
http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2015/06/14/085005 (前回の製造)
先ずは、蕗の準備であるが、茎部を塩で板ずりをして、長さ3~4cmの長さに切る所までは、前回と同じである。 (葉部は刻んで、ふき味噌を作る。)
続いて下茹でであるが、前回は、10分間の沸騰・・と書いたが、実はそれでは長すぎる。 刻んだ蕗を沸騰した湯に入れ、
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711122513.jpg (沸騰した湯に入れた所)
5分間で沸騰に至り、5分間沸騰させる。 伽羅蕗の仕上がりの硬さは、ほぼこの段階で決定する様だ。 そのため、時間は個々に調節されたい。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711111644.jpg (再沸騰した所)
最後に、煮詰め(て、オカカを入れ)れば完成であるが、指定配合の液量では、蕗の三分の一位しかヒタヒタにならない。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711114034.jpg (指定配合の液に、蕗を入れた所)
つい、水を足したくなるが、足すと(液が蒸発するのに時間が掛かり過ぎて)煮崩れてしまう。 煮崩れると、最早、伽羅『蕗』ではなくなる。
しかし、時々ユックリかき混ぜながら、中火で1時間毎に様子を見ると、
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711111941.jpg (煮詰めている途中)
数時間で、液が殆んど無くなるので、火を止める。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711111930.jpg (殆んど煮まった所)
さめたら、容器に入れて完成だ!
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711113936.jpg (容器に取った所、余り美味しそうに撮れていない(汗))
まぁ、味が濃いので、カビは生えないとは思うが、一度に食べられないので、我が家では、ジップ〇ックに小分けして冷凍保存しいている。
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さて、本論の梅干しであるが、材料は梅と塩。 梅は樹に生っている青梅より、熟して落ちた梅の方が良い。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711131626.jpg (熟した梅を水洗している所)
これらを集め、水洗後、水をふき取り、
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711131727.jpg (梅に付着した水を拭き取った所)
(出来れば表面を殺菌して)容器に塩と交互に入れる。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711131800.jpg (容器に梅と塩を入れた所)
塩の量は梅の重量の16~20%が良い。 この時、16%以下だとカビが生えやすい。 今回は、梅1・34kgに対して塩250g(18.6%)を用いた。 近年、塩分が10%程度・又はそれ以下の(調味)「梅漬け」が市販されているが、「梅干し」とは異なるものである。
塩を入れたら、上から重しを乗せる。 すると、梅から出た水分が梅酢の層を形成する。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711132040.jpg (梅酢が出た所、まだ塩は底に残っている)
このまま、直射日光をさけて、暗所に置く。 すると、梅酢が上がって来て、全体が、液に浸る様になる。 この頃には塩は、全部溶解している。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20190711/20190711132133.jpg (後は、天日干しを待っている所)
ここまで来れば、もう完成間近である。 1ヶ月程置いたら、後は3日3晩の「土用干し」をすれば、「白梅干し」の完成だ!
今回は精製塩を用いたので、サラサラしているため、梅と交互に入れるも、殆んどの塩が底に落ちて行ってしまった。