パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ485―研修生のY嬢、再び  

さて今日は、5月最終のリハビリのある日だ。 そこで、いつも通りの手順で、M士とリハビリテーション室へと入って行った。 すると、M士が、

 

   「じゃあ、奥のテーブルの所まで、行きましょう」

 

と言うのかな? ・・と思ったら、

 

   「あちらの空いている台をつかいましょう」

 

と言った。 その理由は、Y嬢(研修生)であった。 再登場である。

 

http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2019/06/08/082848

 

まぁ、一度、紹介も受けているので、敢えて挨拶は無かった。 唯、目が合った時に、軽く会釈をした。 こうして、M士による作業療法が始まった。

 

   ――――――――――――――

 

M士は、私に両手を真上に上げる様指示した。 私が両手を上げると、M士は私の正面に廻り、Y嬢に

 

   「どうかなぁ? 左右の手の具合は?」

 

と質問した。 彼女は、

 

   「左(右?)が外旋していて、右(左?)が内旋している?」

 

と答えると、M士は、自分で確認する様に、

 

   「ええとぉ・・ 逆じゃない?」

 

と言って、自分の身体の位置を変えながら

 

   「左が外旋していて、右が内旋しているんでイイみたいね?」

 

と言った。

 

そして、書字の練習に入った。 彼は、膝の上にボードを置き、マスを書いた。 そのマス内に名前とその読みを書いて行くのである。 最初は、彼がボードを叩いてから、次の一画を書くという、例の方法である。

 

続いて、自分でボードを叩いて見よ・・と言った。 そして、私がタップ前に書き進めてしまうと、その文字を(消しゴムで)消す・・と言う。 まぁ、その脅かし(?)のお陰で、チャンと書けた。

 

最後に、タップ無しで書いてみよ・・と言った。 私は、

 

   「(もしかしたら、タップの効果を検証するために下手な見本が欲しいのかな?)」

 

と思い、昔の書き方で書いた。 すると、M士は、我が意を得たり・・とばかりに、

 

   「ほら、タップが無いと文字が小さくなって行くでしょ!?!」

 

   「それに最後の文字が読めないでしょ!!!」

 

とY嬢に説明した。 そして、こんな事も言った。

 

   「パーキン(ソン病)と言うのは、中脳の黒質と言う部位からのドパミンが少なくなってしまう病気です。 黒質って分かる? こう言う字を書くんだけど・・」

 

と。 こう言いながら、彼は、バインダー上の紙に「黒」・「質」と書いて行った。 更に、

 

   「パーキンでは、書いて行く内に字が小さくなって行くんだ。 他にもギランバレー(症候群)とかALS(=筋萎縮性側索硬化症)でも文字が小さくなって行ってしまうけど、小脳障害の場合には反対に大きくなって行くんだけどね・・」

 

とも。 M士は、本当に博識である。 しかし、話しの様子からどうも私の事を、パーキンソン病だと思っている様だ。 それでも若い研修生の前で訂正するのも憚られた。