パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ450―S士が、気付いた!

 

さて、後頭部に負傷してから2日後に、リハビリがあった。 この日は、先に作業療法がある日だ。 先ずは、M士が我々(=妻と私)に声を掛けて来た。

 

今回も、いきなり奥のデスクの前の椅子に座る様、M士が私に指示した。 彼は、

 

   「チョット、待ってて下さい?」

 

と言いながら、消えた。 暫くして、彼は数枚のプリントを携(たずさ)えて戻って来た。 その内の1枚を私の目前に置いて、鉛筆をポケットから堕した。 それを見ると、カタカナと漢字の混じった文で、

 

   イツモシズカニワラッテヰル

   一日二玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ

   アラユルコトヲジブンヲカンジョウニ入レズニ

 

と言うものである。 きっと、賢い読者諸姉諸兄は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節である事に、気付かれただろう。 実は、前回練習した

 

  南無無辺行菩薩

     :

  南無安立行菩薩

 

は、その最終ページだったのだ! 

 

   https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html

 

   https://kana-ot.jp/wpm/tips/post/271 (必要なら、PDFファイルをダウンロードも可)

 

そしてこれ(「イツモシズカニ・・)を、矢張りM士のキューにより、書き始めた。 すると、

 

   「イイですねぇ!!!」

 

と褒めるのである。 そうすると、嬉しくなるのが人の常。(汗) 嬉しくなると、次への意欲も湧いてくる・・と言うモノである。 これを、「褒め上手」と言う。(笑)

 

   ―――――――――――――

 

すると、M士がこんな提案をして来た。

 

   「習字でも、やって見ますか?」

 

と。 まぁ、多少の心得はあるものの、今は「小字症」もあるので、どうだろう・・ そんな興味もあったので、

 

   「えぇ、お願いします」

 

と言って見た。 すると、彼は何処かへ消えて、再び「習字道具一式」と新聞紙とを携(たずさ)えて戻って来た。 彼がデスクに新聞紙を敷き、フェルトを敷いて硯(すずり)に墨汁を注いでいる間に、私は半紙を出し、筆を選んだ。 そして、彼が半紙の上に文鎮を置いて、準備が完了となった。

 

   ――――――――――――

 

私は、筆に墨を付け、半紙と対峙して深呼吸をした。 何を書くか、M士からの指示は無い。 そこで、私は「春夏秋冬」と書いてみた。 

 

先ずは「春」であるが、1画目が太すぎた。 と言うのは、筆に全く腰が無いのである。 墨がたっぷりと乗った筆なので、当然の帰結であった。(恥) そのため、2画目と一部が重なってしまった。

 

続いて「夏」である。 今度は、一画目から、字の太さを意識して書いた。 横の画数が多いので、細く書く事を意識し、縦の画を気持ち太めに書いた。

 

更には「秋」であるが、「夏」の余韻で「ノ木偏」の3画目が太くなってしまった。 見るからに、不格好であり、失敗である・・

 

最後は「冬」であるが、これは縦の画が全く無いので、形を取るのが難しい。 大きな〇の中に描く様に書くと良いのだが、「秋」で失敗した事もあり、集中力が続かず、小さな「冬」になってしまった。

 

結局、まぁ、何とか「見られる」レベルに達したのは、「夏」のみとなった。 それも、欲目で見て・・ (滝汗)

 

   https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20181216/20181216140650.jpg

 

大体、2画目が大き過ぎるのと、最終画の払いが出来ていない・・ (撮影の技術が悪く、縦の画が傾いている様に見えるが、実際は真っ直ぐ。)

 

その後、S士による理学療法も無事に終わった。 しかし、S士は私の歩容を観察する時に、後頭部に傷がある事に気付いた。 まぁ、後ろから見ると、未だ生々しいのかも知れない。 一方、作業療法のM士の場合は、私を背後から見る機会が無いので気付かなかったのだろう。