リハビリ445―若いっ!
さて、11月中旬、リハビリの予約日だ。 いつも通りの手順で、リハビリ室受付の待合椅子に腰掛けていると、
「〇〇××さ~ん?」
と呼ばれた。 遠くからフルネームで呼ばれ、
「ハイ」
と返事をすると、見た事のない男性が寄って来た。 そして、彼は名札を示し、自己紹介を始めた。
「私、Hと申します。 本日の作業療法を担当させて頂きます」
と言うので、私から
「宜しくお願い致します」
と言うと、彼は同じ言葉をオウム返しにし、頭を下げた。
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彼は私を高さが可変の台へと案内し、その表面や枕を清拭し、仰向けになる様指示した。 すると、彼は私の左側に位置し、丸椅子に座って、私の左腕や左肩のマッサージをしながら、訊いて来た。 それに対して、私は以下の様に答えた。
「手とか、震えたりするって事、ありすまか?」
「いいえ、ありません」
「筋肉が硬直する事は、どうですか?」
「いいえ、ありません」
と。 それらから、もしかして私の事をパーキンソン病だと思っているのだろうか? 確か、最新のカルテには、パーキンソン病のみしか書いてなかったのを思い出した。
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では、彼はどんな感じの男性なのか? 身長は、170cm位、中肉と言うよりスリムな体型で、髪は全体に「天然」の様に細かいウェーブが掛かっている。 そして、そのウェーブから少し髪がはみ出ているのである。 きっと、ワックスでも付けているのだろう。 例えて言えば、
https://www.beauty-box.jp/wp/wp-content/uploads/2016/08/image1-1ij-e1472045565463.jpg
こんな感じだろうか? そう、前髪を眉の辺りまで下ろしているが、清潔感のある左分けだ。
名札を見ると、姓はH,名は「翼」と一文字だった。 マスクをしているので、口元は不明だが、クッキリとした目、細い頤(おとがい)は、美男子を思わせる。 そして、何より若いっ! きっと、まだ20代前半、それも、卒業したてに違いない!!!
そうそう、次回の予約の時に、グループ別の予約ファイルフォルダーに、名前があった。 そこには、「M T(Y) H」と名前があった。 恐らく、M士がグループリーダーで、あとは年齢順(または、就職順)だと思われた。
きっとH士も、先輩のM士の薫陶を受け、良い作業療法士になる事だろう。