パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診療002―201810―2

私の主訴は歩行障害であるが、どうもf医師の話しを聞いていると、歩行障害には2種類ある様だ。 それは、歩き始めの問題と歩き途中の継続の問題である。 まぁ、言ってみれば、「歩行開始障害」と「歩行継続障害」であろうか? 前者は、俗に言う「すくみ足」と言うモノだ。 後者が「狭義の歩行障害」(特に、突進歩行)とでも言うべきか・・

 

後者に対してf医師は、聴覚キューと視覚キューを提案した。

 

聴覚キューとして、f医師は電子メトロノームを提案した。 そして、その設定について、

 

   「速度を(♩=)70にすると、丁度いいんですよ」

 

と教えてくれた。 実際、♩=70で歩いて見ると、かなりユックリだ。 これくらいユックリ歩けば、杖は要らない。 更に、f医師は提案した。

 

   「楽器屋に無くても、Amazonで売っていますよ」

 

と言うので、私は

 

   「スマフォのアプリケーションで、(メトロノームが)ありますよ」

 

と言った。 例えば、「サウンドコルセットチューナー&メトロノーム」と言うのがあるが、結構、使い勝手も良い。 実際、使って歩くと、杖は不要だった!

 

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以前、f医師は、この方法の提唱者に、

 

   「やって見たけれど、効果が無かったよ・・」

 

とクレームを付けた事があったらしい。 すると、その提唱者に

 

   「『1日8時間、聴かなきゃだめだ』と言われちゃったよぉ・・」

 

と笑いながら言っていた。

 

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階段の昇降についてf医師は、

 

   「どうですか、階段の昇降は?」

 

と質問した。 これに対し、妻が反応した。

 

   「えぇ、大丈夫みたいです。」

 

   「そうですかぁ・・ パーキンソン(症候群?)の人って、割と階段は大丈夫なんですよね!」

 

   「どうですか、昇る時はよいけど、降りる時、危なく感じた事はありませんか?」

 

と私の方を向いて訊くので、私が

 

   「別に・・ 大丈夫ですが・・」

 

と答えると、f医師はボールペンを水平に持ち、私の眼の高さまで持ち上げて、2~3度、ユックリと上下させた。 私は顔を動かさず、目だけで追った。 するとf医師は、その様子を見て、聞こえるか聞こえない位の小声で、独り言の様にこう評した。

 

   「(う~ん、少し(私の視線の)追従が、遅いかなぁ・・)」

 

と。 これは、進行性核上性麻痺の典型症状である「下方注視障害」を示唆している。