グルタチオン点滴療法―20~21
2018年6月最初の行事は、グルタチオンの点滴であった。 今回は、水素を吸う予定である。
いつも通り、妻の運転でO外科整形外科に行き、受付を済ませて待っていると、初めて見る職員がやってきて、
「今日は、水素をやりますか?」
と訊いて来た。 元々、その予定だったので
「ハイ、お願いします」
と答えると、職員は、事務室に消えた。
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その後、いつもの様に点滴の準備が出来たと言うので、物療室に入ると、大きな機械の電源が入っていて、その装置から、透明なチューブが延びていた。 私は看護師に促されていつもの点滴用の椅子に座った。
すると、看護師は私の後ろに廻り、頭の上から透明なチューブの小さなループを被せた。 その途中に、T字型の接続部が1cm間隔で並んでいて、そのT端が開放されている。 つまり、ここから水素ガスが出るので、鼻に当てるのだろう。 そう言えば、「生涯現役」を謳っていた某落語家が、高座で(酸素吸入のために)付けていたが、アレと同じ物である。 そして、メガネのツルを描けるように耳に架けた。
こうして、点滴とほぼ同時に、水素吸入が始まった。 すると、妻が流量調整していた看護師に訊いた。
「あのぉ・・ 水素って、何に効くんですか?」
と。 これに対して、当の看護師は、
「あのね、副交感神経を刺激するの・・ だから、(吸入後に)体の芯が熱くなったりするの・・」
と説明した。 ならば・・と思い、私は途中何度も深呼吸をした。
こうして先に点滴が終了し、30分タイマースイッチで水素ガスの供給が止まり、電子音のメロディーが鳴った。 その音を聞きつけて、先程の看護師がやって来た。 そして、透明チューブを片付けながら、私に訊いた。
「どうですか、体の芯は熱くなりましたか?」
と。 私は、正直に答えた。
「いえ、ただ、チョット眠くなりました」
と。 どうやら、私(の病気)には、効かない様だった。