パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ422―M作業療法士

さて、今回から私のリハビリが、作業療法40分+理学療法40分となった。 5月上旬の今日はその第一回目である。 先ずは、作業療法であるが、例によって待合椅子に座っていると、

 

   「〇〇さーん?」

 

と私の名を呼ぶ男性の声がした。 私が振り向くと、彼は近づいて来て、

 

  「本日より、手のリハビリを担当します」

 

と言った。 彼の名は、前任の理学療法士であるI士から「M」と聞いていたが、名札も「M」であった。 彼の案内でリハビリテーション室に入り、空いている台を探して作業療法が開始となった。

 

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台に腰掛ける様促されて腰を下ろすと、彼はキャスター付きのスツールで私の真正面に座って、手の中のピンクと白の2個のゴルフボールを器用に廻して見せた。 彼は反対の手でも同じ様にやって見せた。

 

そして、ゴルフボールを私に渡して、やって見よ・・と言う。 クルミならやった事があったがゴルフボールでは初めてである。 結構大きくて重いので、彼の様には行かない。

 

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その他、グーパーを繰り返したり、指を親指から順に閉じたり、小指から開いたりした。 更に握力計で、左右の握力を測定したら、右34kg・左39kgだった。 その値を読みながら、M士は、

 

   「左の方が、強いんですね?」

 

と言った。 彼にして見れば、利き手の方が強いと思ったのだろうか? でもこれには、訳がある。 いつも利き手である右手で杖の柄を握っていたので、多少手のひらが汗ばんでいたのだ。

 

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途中、M士が私に訊いた。

 

   「日常生活の中で、どんな事にお困りですか?」

 

   「箸から、食べ物をぽろぽろと落としてしまうことです」

 

と私が答えると、M士は別の台の上にタオルを敷いて、ビニール袋から色々な物を取り出し、お椀をその左に置いた。 彼は私に塗り箸を1膳渡し、タオルの上の物を箸で拾ってお椀に入れよ・・と言う。

 

まぁ、小さなスポンジ片やビニール(カバー?)は、超簡単だ。 続いて、乾燥したマカロニだ。 中空の円柱状ではなく、らせん状だったり何かのモチーフだったりする。 これらも、比較的簡単だ。 難しいのは、大豆である・・ そこもカラカラに乾燥した小粒である。 塗り箸で、曲率の大きな球体、しかも表面はツルツル。 たとえ挟めても、今度はそれを持ち上げ、水平移動しなければならない・・

 

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どうにか終えると、M士が講評した。

 

   「う~ん、肘から先だけで(作業を)やっている・・と言う感じですねぇ。 本来、(お椀に)運び入れる時は、肘も一緒に水平に動き、そのために肩の関節が廻って行くんです」

 

と言いながら、私の真似をして見せた。 ナホルド、納得である・・

 

こうして作業療法が終わり、台の上で待っていると、M士が交替してS士による理学療法の施術となった。

 

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リハビリの4単位(=80分)連続は、久しぶりであったが、特に疲労は無かった。 唯、妻にとっては、暇つぶしの時間がこれまでの倍になるので、迷惑なのかもしれない・・