パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

グルタチオン点滴療法―1―3  

 

こうして、診療申込書を妻が記入して再度受付に提出した。 すると、看護師がA4で3枚のプリントを渡した。 その内2枚は「グルタチオン点滴療法説明書」と「確認書」1枚だった。

 

前者には、(1) グルタチオン点滴療法とは、(2) グルタチオンとは、(3) グルタチオンの働き、(4) グルタチオン点滴療法が適している方、(5) グルタチオンの副作用、(6) 当院での治療の実際、(7) 治療費について、が箇条書きになっていて、(4)に「・ パーキンソン病」、「・ 多発性硬化症などの神経難病」とある。 また後者には、「不測の事態」が生じた際には、「適切な治療を受ける」事に同意する・・旨の誓約書的な内容が書いてある。

 

更に10分程待つと、診察室に呼ばれた。 正面には体格の良い男性医師が椅子に座っていた。 私と妻がO医師に挨拶をしていると、看護師が妻用に丸椅子を用意してくれた。

 

さて医師は、私に食事の内容を訊いた。 私が、

 

    「朝はパン、昼と夜はご飯です」

 

と食事の主食を答えると、今度は

 

   「オヤツは?」

 

と更に訊いて来た。 私が答えあぐねていると、妻が私の背中の方から

 

   「お煎餅です」

 

と答えた。 それらを聞いて、O医師はこんな事を言った。

 

   「うわぁ、それじゃあ、脳が第3の糖尿病になっちゃうなぁ・・ もっとタンパク質でカロリーを取る様にしなくっちゃ。 後で点滴の時に看護師から説明があるから、聴いて下さい。 後、『確認書』は?」

 

と訊かれたので、その場で記入して渡した。

 

   ――――――――――――――

 

こうして、医師による初診が終わり、一旦、廊下で待ち、看護師が呼ぶのを待った。 やがて物療室の扉が開き、丸顔の看護師が私の名を呼んだ。 狭い扉をすくみながら進むと、広い部屋に入った。 中には電動リクライニングシート2脚と、夫々に調度品の様な小さいテーブルが並べてあった。

 

入口側の椅子の脇には点滴用スタンドがあり、小さな袋が下がっていて、そこからチューブが一本降りていた。 その先には3方コック、10mlシリンジ、翼状針へと接続してある。 いよいよ点滴開始である。 先程の看護師(名札を見ると、「S」さん)が私の右の上腕部に駆血帯を巻き、肘の内側を、

 

   「ヒヤッとしますよ!」

 

と警告後、アル綿で少し広めに強くこすった。 勿論消毒のためであるが、血管を怒張させるためでもある。 そして、ゴム手の上から位置を決め、

 

   「チクッとしますよ!」

 

と警告後、翼状針の羽根の部分を寄せて持ち、刺した。 彼女は一発で静脈を探り当て、カテ内に、静脈血が逆流するのを確認してから、翼状針やカテをサージカルテープで、私の腕に固定した。

 

そして更に彼女は、3方コックからシリンジ内に採血し、抗凝固剤の入った3本の試験管に分注した。 そう言えば、血液検査もやる・・と、O医師が言っていた。

 

最後に3方コックからカテ内のエアーを抜き、無事に点滴が始まった。