診察201712―2
さて、いよいよ診察である。 先ずは、診断書の用紙を妻がT医師に渡した。 すると、彼女は用紙をチラッと見て、
「えーーとぉ・・ 今回は、『特別障害者』ね! 前回(の障害者手帳申請用)の診察から、もう1年経つのねぇ・・」
とモニタ-を見て、感慨深そうに言った。 妻が、小さく相槌を打った様な気がした。 更に、
「書く事って・・ (身障者)手帳用も障害年金用も(診断書は)同じ様な事を書くのよねぇ」
と言い、各項目を見て行った。 そして、ADLの項目を記入し始めた。 記入方法は、一人で出来るものに「〇」印、介助が有れば可能なものに「△」印、出来ないものに「×」印を付けて行くものである。
私は診察前に、診察に際しての心構えを、妻に言って置いた。
「診察での主役はアナタだよ。 いかに私の介護が大変かを正直に訴えてね。 もし、私がワープロで(診察毎に、F医師に)メモを起こしている・・と言われたら、『それは、薬が効いている間に・・』と、チャンと答えるんだよ」
と。 すると、T医師は項目毎に、①妻に質問し、②自分で診察し、或いは、③私の様子から推定して、埋めて行った。 例えば、
〇 タオルを水が滴らない程度に、絞れる。 : ①
- 紙を引き抜けない程度に保持できる。 : ②
・・・
× 階段を降りられる。 : ①→③
等である。 そして、〇を0点・△を1点・×を2点として合計し、10点以上で「特別障害者」の認定を得られる可能性が出て来る。
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こうして、一応、全項目に評価が付き、残るは関節の可動域の測定のみとなった。 これに関して、T医師は、
「次回のリハビリの予約が、12月〇日にあるようなので、当日、理学療法士に測定して貰って下さい」
と言った。 そこで、我々はT医師に礼を言って、診察室を後にした。
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さて、上記以外の、T医師とのやり取りを幾つか紹介しよう。
(1) T医師 :「ご主人、ワープロは(打てるの)?」
妻 :「午前中は、大丈夫なんです。 ただ、昔は『バラバラバラバ
ラー』って、もの凄く早かったんですけど、この頃は『ポツ・ポ
ツ・ポツ』なんですよ。」
(2) 妻 :(私に)「ホラッ、真っ直ぐ(車椅子に)座ってぇ!」
妻 :(T医師に)「センセ、主人はいつも、こうやって右に傾くんです
よ。 ご飯の時なんか、『ほら、味噌汁がこぼれるわよ』といつも
言ってるんですけど・・」
T医師 :「本人にとって右に傾いた方が自然なのよねぇ・・」
(3) 妻 :(私に)「ホラッ、チャンと目を開けてぇ!」
妻 :(T医師に)「センセ、主人はいつも、こうやって目を閉じてるん
ですよ。」
T医師 :「目を閉じている方が、楽なのよねぇ・・」