パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ383―I士、遅れる

さて、外来リハビリの待合室で待っていると、予約時刻になった。 しかし、I士が現れないのはいつもの事であるが、流石に5分過ぎても姿が見えないと、不安になる。 そこで、受付嬢にその旨を伝えると、彼女は席を立ってリハビリ室内に入って行った。 まぁ、何らかの理由で前の患者への施術が延びているなら仕方の無い事であるので、

 

   「しまったー・・ 施術中なら、探さなくても・・」

 

とは思った。 が、これが正解だった。

 

   ―――――――――――――――

 

やがてリハビリ室内からI士と細身の男性が出て来た。 しかしその男性はどうも患者ではなさそうだ。 第一、次回の予約も取らなければ、受診案内票も持っていない。 その後の妻の情報では、「先生」らしい。 

 

こうして漸く私の番となったが、なんだかんだで実際に施術が始まったのは、予約時刻からすでに10分を経過していた。 さて、今日の新技は?

 

施術の途中で、I士は私に四つん這いになる様指示した。 そして

 

   「そのまま、右足をだせますか?」

 

と言いながら、自分の右足を「膝立て」にした。 私も真似て見ると、

 

   「もっと、足を前に出して!」

 

と言われた。 確かに・・ 私が彼の真似をすると、右手の直ぐ外に右足が並び、腕と右足の膝から下とが並んだ。 この状態で、左腕を天井に向かって上げてみよ・・と言う。 そう、いつもは四つん這いのままやっている、上半身の柔軟性を確保するための「アレ」である。

 

では、四つん這いの時と比較して、バランスがより重要である。 と言うのは、四つん這いで片手を挙げると残り3点で体を支えれば良いが、新技では(ほぼ)2点である。

 

そして最後に歩き方の練習をした。 先ず、立位で足踏みをするのであるが、兎に角「高く、高く」と言う。 続いて、リハビリ室内を歩いた。 彼の注意は「大きく・高く・踵から」である。 うん、確かにこれなら、足を引きずる事は無い。 きっと、前回の「リハビリテーション総合計画書」に書く時に言った、患者側からの要望に沿っているのだろう。

 

こうしてリハビリが終わって時計を見ると、定刻3分過ぎであった。 うん、これなら次の患者を5分以上待たせる事も無い。 

 

じゃあなくてぇ・・ 彼はリハビリ室に入る時、私に

 

   「(リハビリの開始が)遅れて申し訳ありません」

 

とは言ったが、本当に申し訳なく思っているなら、せめて遅れた分位は(施術を)やれや!