パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ381―ネタ切れ

今日は2017年7月上旬、7月最初のリハビリの予約日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に行った。 病院の正面玄関で降ろして貰い、私は自分で外来用の車椅子を借用するのであるが、畳んでありロックの掛かっている車椅子が病院入り口の二重ドアの中間に置いてあるので、これに座って院内のフラットな床に着こうとすると、幾つかのバリアに遭遇する。 例えば、目の不自由な人用の点字ブロック。 確かに病院としては必須だろうが、あの上って車椅子は通り難いのである。

 

そこで私は、広げた車椅子をスーパーマーケットのカートの様に押して院内のフラットな床の所まで着いてから車椅子に腰掛ける様にしている。 しかし、その事に自分自身で違和感を持っている。

 

と言うのは、無人の車椅子を押している姿は、まるで車椅子を必要とする人に届けようとしている様だ。 そして病院の内部に来たら、

 

   「な、何と本人が座っているじゃあないか!?!」

 

   「車椅子を押せる位なら、自分で使うな! あの人は一体、健常者なの? 患者なの?」

 

等と思う人は、いないとは思うが・・

 

   ―――――――――――――――――――――

 

で、車椅子に座った私は、受診案内票を出力しに来た妻と合流して、外来リハビリ室に到着した。 そして、代診の医師による予診を受け、10分程してI士によるリハビリが、ほぼ定刻に始まった。 先ず、私の歩容を観察して、

 

   「何か、調子イイみたいですねぇ・・」

 

と評した。 私は、ただ

 

   「えぇ・・」

 

と答えるに留まった。 と言うのも、調子を回復した理由が、処方の変更――具体的には、ノウリアストの追加――によるからだ。 つまり、どんなに一生懸命リハビリを頑張っても薬には敵わないのでは、理学療法士として虚しく思うのでは? ・・と感じたからである。 

 

そう思って、I士の方に視線を向けると、そんな鬱屈した考えなど微塵も無い、私の改善を嬉しく思っている様な、明るく屈託の無い笑顔だった。 それを見て、私は安堵すると共に、自分の考え過ぎを、内心、恥じた。

 

   ―――――――――――――――――――――

 

こうして、空いている台を探して、リハビリの施術開始となった。 マッサージやストレッチ・筋トレをこなし、歩行練習になった。 私は、極力、踵から着地し大きな歩幅で歩く様に心掛けたら、両腕も自然に大きく振れた。

 

そしていよいよ、月初恒例のリハビリに対する患者からの「希望や目標」を、「リハビリテーション総合計画書」に書く段になった。 私はこれまで「ハムストリングスの伸展」、「すくみの予防」、「歩容の改善」、「歩行能力の維持・向上」等を言って来た。 流石にもうネタ切れである。

 

そこで私は、前回の気功師の指摘から

 

   「足を(床に)擦らない歩き方」

 

と具体的に言って見た。 すると、I士は空欄のまま私の署名を求めた。