パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

運転免許の更新

さて、今日は烏賊博士との勉強会が終わったら、運転免許を更新しようと思っている。 前回の更新時の事を教訓に、免許センターではなく警察署での更新を行う事とした。 まぁ、「優良区分」なので、県内ならどこの警察署でも更新可能と公安委員会からのお知らせに書いてあった。 ただ、15:30までの受付だ。

 

さて、どこの警察署にしようか・・と考えた。 それには、帰路にある事と、慣れている所の方が良いのは明白だ。 特に後者は、緊張すると足がすくんでしまうので重要なポイントである。 そこで、いつも行っている総合病院のある市の警察署に決めた。

 

第一の試練は、車で来客用駐車場に停めて構内を玄関まで歩いて行く事である。 勿論、杖無しである。 コツは2つ。 一つは、両手を空けて腕の振りを用いて、歩行を安定させる事だ。 そのために、今日は肩から掛けられるカバンを選んだ。 しかも斜め掛けである。 この際、格好なんて問題にしていられない。 もう一つは、キューを使う事である。 それは、心の中で「1・2、1・2、・・」とユックリと唱える事である。

 

この事により、何とか署内に着いた。 そして、入ると正面に案内係の男性職員がいた。 一瞬緊張したが、まぁこちらを見つめている訳でもない。 心の中で、

 

   「(大丈夫、大丈夫 ・・)」

 

と思いながら床を見ると、大きなPタイルの様だ。 これは罫線があるので、歩き易い。 そこで、線を頼りに、「運転免許証の更新」の矢印に従って受付に行き、更新料を支払ったら、51番の番号札と用紙を貰った。 

 

これが第二の試練である。 というのは、小字症なので文字が書きにくいのである。 何とか氏名・ふりがな・電話番号・暗証番号を書き入れ、裏を見ると、いくつかの項目にチェックを入れる様になっている。 

 

この項目が第三の試練である。 しかし、直接関係しそうなのは、最後の項目のみだった。 それは、

 

  • 医師から自動車の運転を止める様に、言われた事はありますか。

 

と言うものだった。 まぁ、訊けば止めた方がイイと言われるのはミエミエなので、訊いてもいない。 つまり、チェックは不要・・と言う事である!

 

以降は、視力検査と撮影、そして講習のみである。 問題が2点あった。 一つは、撮影時に椅子から立ち上がり、出口の方に方向転換する時、すくんでしまった事である。 しかし、私が一瞬

 

   「(し、しまった!)」

 

と思って。担当の女性をみると。その時、彼女は撮影データを処理するために、部屋を出る所だった。 これが第四の危機だった。 

 

そして、最後(=第五)の危機は、講習室内で起こった。 番号が呼ばれて4人が並んだが、私は2人目になった。 そして、講習室に並んだ折り畳み式のパイプ椅子の間を通ろうとした時、小刻み歩行になってしまったのであった。 チョコチョコと歩く様子は、どう見ても異常だ。 内心、

 

   「(し、しまった!)」

 

と思ってしまった。 講習担当官は、丁度ビデオの準備をしていた。 何とか、椅子に当たらずに着席できた。 そして、講習が30分で終わり、新免許証が配布された! そして内容の確認が終わると、解散となった。

 

後は、チャンと帰れればOKだ。 Pタイルの枠を目印に、広い所を胸を張って正々堂々と通って帰れた。 帰宅後に妻に話すと、ビックリしていた。 そして、こう言った。

 

   「何だ、やればできるじゃない!」

 

しかし、「やればできる」と言う問題ではなく、新処方のノウリアストが奏効しはじめた・・と考えるべきだろう。