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パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

抄読会―9

2016年7月中旬の某日、久しぶりの抄読会である。 そこで、ターミナル駅近くの烏賊博士の勤務先である某各種学校に、車で出掛けた。 雨の中、一人で運転するので、妻は反対したが、他に交通手段もない。

 

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勿論安全に到着し、ランチ後、論文を広げた。 今回の論文は、「Pedunculopontine nucleus deep brain stimulation produces sustained improvement in primary progressive freezing of gait」(Robert A Wilcox, Michael H Cole, David Wong, et al, J Neurol Neurosurg Psychiatry published online October 22, 2010. doi: 10.1136/jnnp.2010.213462)である。

 

タイトルの拙訳は「脚橋被蓋核の脳深部刺激は、原発性すくみ足を持続的に改善する」であるが、いかがだろうか?

 

内容は、「あるL-DOPA抵抗性のPD患者に対する脚橋被蓋核のDBS(=Deep brain stimulation、脳深部刺激)が、すくみ足の改善に有効だった」と言う例から、色々と考察を展開している・・と言うものだ。

 

   「オイオイ、ちょっと待ってくれ! PDでのDBSって、普通は症状にもよるが、視床淡蒼球視床下核の何れかを刺激するんじゃないのか? そもそも、脚橋被蓋核ってどこにあって、どんな役割をしているんだい???」

 

という疑問を持つ人もいるだろう。 ま、その辺は下記URLで!

 

   https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%9A%E6%A9%8B%E8%A2%AB%E8%93%8B%E6%A0%B8

 

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で、烏賊博士がなぜ、この論文に興味を持ったのか? それはこの手段が、「PSP-PAGFによるすくみ足に有効であるかも知れない」と考えたからだ・・と勝手に思っている。

 

それに、彼は「Emotiv社の製品で5チャンネルの脳波が記録でき、Wirelessでデータを収集できる」脳波計を発注したと言う。

 

   http://emotiv.com/insight/

 

さて、これで何をするかと言うとこのデバイスで患者の「歩こう」と言う意志を感じ取り、それをDBS経由で脚橋被蓋核を刺激する・・と言いたい所だが、非侵襲的でなければならない。 例えば、聴覚キューがある。 もっと言えば、HALがある。

 

そう、脚橋被蓋核を電極で刺激すると歩行が行われるのである。 これは以前の抄読会、

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2016/02/22/073526

 

で紹介した総説「大脳基底核による運動の制御」、高草木薫、臨床神経学, Vol.49 No.6,pp.325-334, 2009、に詳しい。

 

   https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/49/6/49_6_325/_pdf

 

例えば除脳ネコで、脚橋被蓋核を刺激すると、トレッドミル駆動により歩行を始める。 (「除脳」とは大脳皮質の影響を除くために、ネコの脳幹を上丘前縁と乳頭体後縁で切断した標本である。) その理由は、脚橋被蓋核とその近傍に、歩行を誘発する領域が存在するからである。 (上記の総説)

 

では、PDと脚橋被蓋核との関係は? まぁ、上記の総説をそのまま引用しても仕方ないので、そのURLの331ページを参照願いたい。