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パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

抄読会―6

2016年6月上旬、実にほぼ4ヶ月振りの抄読会である。 と言うのも、前回は2月の中旬だからだ。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2016/03/20/090130

 

場所は、烏賊博士こと友人の職場である。

  

では、テーマは? 「Antibody against early driver of neurodegeneration cis P-tau blocks brain injury and tauopathy」であるが、拙訳すれば「神経変性の初期の駆動体(=cis P-tau)に対する抗体は、脳損傷やタウオパチーを防止する」であろうか? もし名訳があるなら、下記のコメント欄にご教示願いたい。

 

実は、これは全26頁にも及ぶ論文であり、Nature(Vol 523、431-456、2015)に掲載されている。 しかも、広い分野に及ぶ研究である事から縦割りの大学では無理であり、事実、癌研究所やメディカルセンター、医科大学、病院等に所属する22名もの著者が並んでいる。

 

さて、この様な巨大プロジェクトを動かすキーパーソンは、プロジェクト・リーダーであろう。 しかし、日本の高等教育の過程で、プロジェクト・リーダーになるための素養を身に付けさせる講義があるだろうか? 脱線になるが、ノーベル物理賞を受けた小柴教授は、米国留学中にその様な素養を身に着けた・・と思う。

 

話しは脱線したが、元に戻そう。 このタイトルを見て、論文の内容を推察できる人は少ないと思う。 少なくとも、私はそうである。 では、その本文を見ながら意味する所を考えて見よう。

 

キーワードの一つが「cis P-tau」である事は、想像に難くない。 では「tau」(タウ)とは? これは、tau蛋白(以下、タウ蛋白)である。 タウ蛋白は神経軸索内の分子量約5万の微小管結合蛋白であり、微小管の重合を促進したり安定化したりする。 これにより、細胞骨格の安定化に寄与している。 タウ蛋白がリン酸化されると、タウ蛋白は微小管から離れタウ蛋白同士で結合し神経原線維変化を生じると考えられている。 この神経原線維変化はアルツハイマー病のみならず、他の神経変性性疾患でも観察されている。

 

では、「P-」とは? これは、リン酸化された(タウ蛋白である)と言う意味だ。 リン酸化される位置は、Thr231-Proである。 つまり、タウ蛋白のN端から数えて231番目のThr(スレオニン=Threonine)の側鎖にある水酸基だ。 え? なぜ、その後ろにPro(プロリン=Proline)がわざわざ書いてあるか・・ですって??? ここが、味噌・醤油・味の素なのである。 

 

(続く)