リハビリ314―敬老カート!?!
5月中旬の今日は、総合病院でリハビリのある日だ。 そして、リハビリ室で予診を受け、待合椅子で待っていると、壁時計で5分前にI士が声を掛けて来た。
「少し早いんですが、始めましょうか?」
と言い、私に付き添いながら空いている台へと、案内した。 まだ時間前なので、誰もいない。 そして、I士と同じ服装のH士を紹介した。 研修生らしい。
「私、Hと申します。 本日、一緒に観させて戴いて宜しいでしょうか?」
と言いながら、首から下げた名札を示した。
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先ずは、I士による質問だ。
「どうですか、調子は?」
「えぇ、相変わらず(不調)です。」
「転倒はしていませんか?」
「大丈夫です。」
「杖一本では、突進した時、(自分の体を)支えきれないでしょう? ・・ もしそうなら、こんなのを使うと良いですよ」
と言いながら、両腕を前に出した。
「それって、スーパーの(買い物用)カートみたいな?」
「ええ・・」
「あれは、ダメなんです。 カートと一緒に、ツツツーーー・・と」
と、カートを押しながら突進するマネをして見せた。
「そうか、車(=キャスター)が付いているもんな! ・・ それなら『敬老カート』みたいのは、どうですか? あれならブレーキも付いているし・・」
とは提案してくれたが、敬老カートを押すには、まだ抵抗感がある。
そんな立ち話をしながら、私は台に上がり、仰向けになった。 いよいよ本日の施術になった。 H士は、少し離れて立ち、メモをしている。