リハビリ312―壁に向かって・・
ゴールデンウィークさ中の5月上旬、妻の運転で総合病院に、リハビリを受けに行った。
実はこの所、バランスが悪く、歩容も悪化している。 恐らく症状が進行したためだろう。 この場合、まぁ、リハビリで改善できる事は少ない。 それでも、私の体調不良を担当のI理学療法士は、私に申し訳なさそうに言った。 理学療法士として「力不足」だった様な、発言をしたからだ。 責任感の強い人だ。
そんな事で、空いてる台を探して、リハビリがはじまった。 前半は、いつものルーチンである。 そして、後半、バランスと歩容の改善に資するリハビリを行った。 例えば、靴を履いて壁に向かって、40cm位離れ両手を壁に付ける。 そして、片足ずつ上げるのである。
暫く上下したら、
「では室内を歩いてみましょう」
とI士が言い、私の後ろから室内歩行に付いて来た。 勿論、檄を飛ばしながら・・
やがて、部屋の端に到達すると、
「部屋の外まで、行ってみましょう」
とI士が言ったので、私はヨタヨタと方向転換して進んだ。 そして同じ経路を戻った。 この時、I士が
「手を大きく振ってぇ・・」
と言うので、手を振るとまるで小学生の行進である。 彼によれば、足がすくんで進めない時に、有効だそうである。
こうして、ほぼ定刻に終わる間際に、
「今日は月初なので、リハビリテーション実施総合計画書を書く必要があるんです」
と言い、ボードを出した。 そして、
「今月の○○さんの目標は何ですか?」
と訊くので、「バランスの改善です」
と、先月と同じ事を言った。 彼は何も言わず、その通りに書いた。