パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ302―怖い!

今日は、2月中旬の2回目のリハビリの日である。 妻の運転で総合病院に行き、M医師の予診を受け、椅子に腰掛けて待っていると、定刻より少し遅れてI士が声を掛けて来た。

 

広い台を見つけて、早速、施術に入った。 脚や足首のストレッチ、腕のストレッチ、全身のストレッチ、犬猫ストレッチ、四つん這いでの片腕上げ、同じく片腕と対角の脚上げ・・等を順次こなして行った。 そして、最後に

 

   「体育座りをして見て下さい」

 

と言った。 膝を立てた、所謂、「お山お座り」の事らしい。 そして、この状態で、両足を浮かせてみよ・・と言う。 つまり、尻だけで台に接し、全体重を支えるのである。 これは以前やった事があるので、直ぐにI士の真似をして出来た。 すると、彼は

 

    「両手を離して、膝を閉じてぇ・・」

 

と指示を出した。 まぁ、何とかそれらしくは、出来た。 ただ疲れて来ると、後ろへ倒れてしまう・・

 

なぜ、前回は両手で膝を持ったり、両手を膝の後ろで組まないのだろう・・とは思ったが、それが次の課題への伏線だとまでは、思い遣れなかった。

 

   ――――――――――――――――――――

 

すると、今度は靴を履く様、指示した。 そして彼は、台に腰掛けて、先程と同じポーズをやって見せた。 つまり、脚を上げて、尻だけで全体重を支えるのだ。 勿論、台の上と同じ格好なので、可能のハズだ。 ただ異なるのは、足の下に台が無く、床になっているだけである。

 

所が・・ やろうとしても、これが出来ないのである。 理由は、台が無いので、全身がすくんでしまう。 つまり、「万が一、前に倒れたら・・」と言う恐怖感が先に立ってしまうのである。

 

まぁ、このポーズをして、これまで前に倒れた事は無い。 それに万が一前傾になっても、I士が支えてくれる。 更に、両手・両脚共にフリーなので、直ぐに手足でバランスも取れるし、夫々、台や床に着けば良い。

 

それは、分かっている。 しかしそれでも尚、怖い!・・と思えてしまうのだ。 きっと大脳皮質から全身の運動野に「さぁ、やってみよ」と基底核を通じて指令は出しているが、恐怖を感じた皮質からの情報を受けた青斑核がノルアドレナリンを分泌してそのリスクを回避しようと、一生懸命押し留めているのだろう。

 

そんな私を見て、I士は無理にはさせようとはしなかった。 ただ、台の上での尻バランスを、家での宿題とした。