リハビリ300―「背筋(はいきん)を鍛えたい」
2016年の2月となった。 最初の行事は、リハビリである。 早速、その様子を紹介しよう。
定刻から少し遅れて、担当のI理学療法士による施術が始まった。 なぜ少し遅れたか、その事にI士の責任は無い。 と言うのは、前の女性患者はほぼ予定通り終えた。 しかし、患者の家族(患者の夫?)が受付で色々とI士に質問しているのである。 まぁ、彼も、
「もう、貴女の治療時間は過ぎています。 次の患者が待ってますので、質問は次回の時間内にお願いします。 では、今日はこれで!」
とも言えないだろう。 I士は私が待っている事は、知っていたが・・
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さて、今日が月初と言う事で、例の「リハビリテーション実施総合計画書」を作成しなければならない。 そこでI士はボードを出して、いきなり私に質問した。
「○○さんが今月やって欲しい事は(何でしょうか)?」
と。 私は、すかさず
「背筋(はいきん)を鍛えたいんです」
と答えた。 これは、以前のI士の指摘だった。
すると、彼は施術の終わりの頃に、そのプログラムを入れてくれた。 例えば・・
① 少し高めの台に向かって脚を前後に開き、両手を台に付き、上半身を「背筋(せすじ)を伸ばしたまま」折って行く。
② ①の状態で、更に両腕でなく、両肘で支える。
③ 足を半歩開いて直立し、広く広げた両腕で上空で棒を持ち、その棒を後頭部を通して肩の高さまで下げる。 (棒を両肩で担ぐ格好になる。)
そして、③をI士の手本通りやってみた。 すると、棒を何とか後頭部を通過させる事が出来た。 それを見て、彼は
「おっ、イイじゃないっすか! 以前は、(棒が後頭部を)通れなかったですよね!!!」
と評価してくれた。 そう言えば、昔は素直に棒が後頭部を通らないので、無理をしたら
「首を・・ あんまり前に出さないでくださいねぇ・・」
と注意を受けていた事を、思い出した。 彼の言う通り、上半身が柔らかくなっているのは、間違いない。
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尚、「リハビリエーション総合実施計画書」は、全部記入したものに患者がサインをするのが本来だろうが、I士は未記入なのに私のサインを求めた。 これは、記入内容がほぼ固定的なので、時間の節約のためだろう。 どうせその翌週には、そのコピーを患者に渡すので、患者は内容を確認出来る。