救急搬送―8
W医師は次の様に言った。
「それでは、口から内視鏡検査をしてみましょう。 やった事はありますか?」
「はい、あります。」
「いつ頃ですか?」
「去年の健康診断です。 確かポリープがある・・とか?」
「? ・・ 記録にはないわねぇ?」
と、私は思わず妻と顔を見合わせた。 と言うのは、直前の検査時期について、妻と話していたからだ。
「先生、それって鼻から出来ないんでしょうか?」
「出来ますよ、鼻の方がイイですか?」
「えぇ・・」
と言うやり取りがあって、モニターから可能日を探した。 それが12月の○○日なのだ。 つまりほぼ一ヶ月後である!?! つい数時間前の今朝、救急車で運ばれたのに・・とは思ったが、それがW医師の判断なら仕方ない。
と言うより、それ程軽い・・と喜ぶべきなのだろう。 そして、
「超音波(検査)もやりたいんですが、いつにしますか?」
と訊かれたので、胃カメラと同日にお願いした。 更に、検査結果の説明日については、
「生検をやると、組織(の病理)検査に3週間掛かるのよねぇ・・」
と言う事で、来年になった。 であれば、脳神経内科の診察日と同じなら、好都合である。 そこで、1月上旬の同日にお願いした。 すると、
「S先生ね!」
と、小声で言い、
「じゃあ、事前の注意が担当の看護師からありますので聴いてって下さいね」
と言い、診察を終えた。 結局、問診のみだった。
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こうして、また待合室で待つ事になった。
所が、待てど暮せど、中々呼ばれない。 次に腎臓内科の受診が控えているのに、これじゃあ、昼になってしまう。 まぁ、看護師も忙しいのは分かる・・ それでも、30分程で声が掛かった。
小さな「処置室」に呼ばれ、妻と私は当日の案内票を見せられて、説明が始まった。 所が、検査の内容が医師との話と合わない!?!